おもちゃ絵は図鑑のようにながめたり書き入れによるストーリーを楽しんだり、また、切ったり組み立てて遊んだりと当時の子供たちにとって格好の「おもちゃ」であり、メディアであった。
猫のしぐさが可愛いおもちゃ絵。ちなみにここは「またたび湯」。
江戸時代銭湯は混浴で、洗い場から浴槽のしきりに柘榴口と呼ばれる板があり、それがくぐって湯に入った。
背中を流しているのは「三助」。銭湯で釜焚き、湯加減の調整、番台業務を助けていたところからこの名前がついたといわれる。風呂場で垢すりや髪隙などもした。
猫の痴話げんかを描いた大人向け?のおもちゃ絵。
駆け落ちした猫カップルの行く末は・・・。
東海道の各宿場にちなむ役者と風景を描いた三代豊国のヒット作。白須賀宿(現静岡県湖西市)三代目尾上菊五郎の当たり役、「猫石の精」が描かれている。 「梅初春五十三駅」に登場する「猫石の精」は因幡之助らに正体を見破られて逃げ去り、白須賀宿となる。
こちらの作品は歌舞伎「梅初春五十三駅」より、東海道五十三次岡崎宿で化け猫が出てくる場面を描いているか?老婆が油をなめると行燈に猫のシルエットが映ることで正体が現れる場面。手拭いをかぶって踊っている猫は「猫が化けるとしっぽが二股に裂け、手ぬぐいをかぶって人間のように振舞う」という「猫又伝説」(ねこまたでんせつ)があり、それに基づいていると考えられる「尾が裂き」(岡崎)のごろ合わせでもあるか?化け猫が題材になっている歌舞伎は多い。
それぞれ微妙に筋やシチュエーションが違うが、十二単を着た老婆が油をなめる、その姿が行燈に猫の姿となって映るのは共通している。
いつも複数の猫を飼い、懐に猫を入れて絵を描いていたという国芳。愛猫が死んだ際には戒名をつけ、位牌を用意したという言い伝えがあるほどの筋金入りの猫マニア。 猫を擬人化した作品を多く残しており、普段から猫を観察しているせいか、現代の獣医学、動物行動学からみてもうなずける点の多いという。
真言は普通、「誠」と書き、嘘いつわりのないことを指す。この場合本音だろうか。上の部分に嘘(建前)と言(本音)を書いてある。 真言「こんな魚をよこして、今時分礼でもあるまい。今まで一向に挨拶もなく、魚など貰いたくない。それそれ猫に気をつけなよ」 相手からなかなか挨拶がなく、腹立たしく思っていたところへ魚を届けて来たので、今頃になってと文句を言うかわりに、心にもないお礼を言っている場面。
浮世絵師。画号に一勇斎・採芳舎・朝桜楼などがある。江戸日本橋にて染物屋の子として生まれたが、文化末年から 初代豊国 の門人となり、 役者絵 ・挿絵などを描き始める。文政末年より描き始めた錦絵「通俗水滸伝豪傑」シリーズで人気が急騰。以後「 武者絵 の 国芳 」として評判を得る。柴田是真にも学んだとされ、天保期には 洋風 風景画 も手がけるようになり、また 戯画 の豊かな発想から幕末の奇才と呼ばれる。
国芳の猫好きは有名だが、身近にいつも猫がいたせいか、国芳の弟子たちも猫好きや猫を書くことが得意な弟子が多かった。おもちゃ絵の芳藤、月岡芳年もその例。
薄雲太夫とその愛猫を描く。芳年自身も大変な猫好きとして知られており、遊女の簪飾りや着物の柄にまで猫があしらわれている。
藤田嗣治の画集『猫の本』に収録された、「猫12枚」シリーズの1点。猫の名前が各タイトルとなっている。本作のアラシェルとは、地獄の最下層に棲んでいるとされる暗黒の神の名前(?)。実はとんでもない悪戯者なのでだろうか。
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