東京銀座ぎゃらりぃ秋華洞

【特集】春画解体新書

盛況のうちに幕を閉じた大英博物館での「春画展」。
入場規制をする日もあるほどの人気で、社会的にも大変注目が高く、イギリスの大手新聞にも大きく取り上げられました。
しかし残念なことに本家、日本での巡回展開催はかなわず......。
そこで、秋華洞が緊急企画として春画展を開催します!(展覧会は終了しました)

春画ってなんだろう?

エロティックな一面がどうしても注目されがちな「春画」。
春画といえば、江戸の人々にとっては身近なものでした。
男女の性だけでなく、春画は「生命力」のシンボルとして、
武士が戦いの際、鎧の下に忍ばせたり、春画を持つと蔵が火事にならないとも言われていました。
詳しくは弊社ブログで。

社長田中による大英博物館「春画展」現地リポート(1)
社長田中による大英博物館「春画展」現地リポート(2)
社長田中による大英博物館「春画展」現地リポート(3)
社長田中による大英博物館「春画展」現地リポート(4)

上方絵師 月岡雪鼎

月岡雪鼎《肉筆春画》月岡雪鼎《肉筆春画》

火事除けの春画として有名な、上方の絵師・月岡雪鼎の肉筆春画。
大英博物館の春画展にも出品されていて注目を集めていました。

月岡雪鼎プロフィール

享保11(1726)年-天明6(1787)年
江戸時代中期から後期にかけて活躍した上方絵師。肉筆浮世絵、とりわけ艶やかな美人の絵を多く描いたことで知られる。

上方絵師 月岡雪鼎

性教育として、嫁入りの際に持たせたりということも一般的でした。
おめでたいものとしてお正月に豪華春画をつくらせ、大名同士で送りあう風習もあったそうです。
例えば、国貞の「花鳥余情吾妻源氏」は越前福井藩の松平慶永が作らせたものという説があります。


富岡永洗《八雲の契り》富岡永洗《八雲の契り》


本作は、明治期随一の名品春画組み物と呼ばれる、富岡永洗《八雲の契り》。
春陽堂店主・和田篤太郎が製作し、年玉として得意先に配ったものと言われています。

多くの絵師が手がけた

春画が当時の人々に一般的だった証に、ほとんどの絵師が春画を手掛けています。
ときにはアクロバティックなポーズを描く春画は絵師の技量が試される分野だったのです。
今回は春信、歌麿(歌まくら)、北斎、英泉、国貞、司馬江漢、柳川重信、西川祐尹など幅広くご紹介します。
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春画の登場人物

多くは夫婦(若夫婦から老夫婦まで)、職人、使用人、奥女中と庶民が主役。こどもが出てくるのもお約束。

登場人物その1 夫婦

歌麿《歌満くら》歌麿《歌満くら》11図

画面いっぱいに描かれるのは、中年夫婦の妻が夫に布団を掛けてやる中睦まじい姿。

《歌満くら》とは

歌麿による、いわずと知れた春画の最高傑作。しかし出版時の評判は必ずしも良いものばかりではなかったようだ。それというのも、若衆の浮気を責める年上の女や、恥らって顔を隠す後家、亭主をいたわる女房など、その性格や暮らしぶりまでも想像させるような女性の心理描写が、当時にとっては全く新しかったからである。それぞれが異なる趣向ながらも、色彩、構図、その世界観に至るまでが入念につくりあげられた見事な作品である。

登場人物その2 子ども

歌麿《繪本恋之奥義》歌麿《繪本恋之奥義》

「あねさんをどうしやアがる このやらうは」と食ってかかる子どもの姿がいじらしい。

登場人物その3 犬

豊国Ⅲ《恋のやつふぢ》豊国Ⅲ《恋のやつふぢ》

春画は、歌舞伎役者や東海道五十三次、忠臣蔵など、人々に知られたモチーフを多く取り上げました。
本作は、曲亭馬琴『南総里見八犬伝』に想を得たもの。

《恋のやつふぢ》とは

「不器用又平」こと歌川国貞による春画本。曲亭馬琴の代表作『里見八犬伝』を艶本化した作品で、本文・挿絵ともに原作を忠実になぞっている。本作の文章を手がけた「曲取(きょくどり)主人」の名もまた、曲亭馬琴の別号「曲亭主人」をもじったもの。原作に登場する伏姫は「佐世姫(させひめ)」、その飼い犬八房は美少年に化ける妖犬「八総(やつぶさ)」として描かれるなど、『里見八犬伝』を知っていればより楽しめる内容となっている。