東京銀座ぎゃらりぃ秋華洞

【特集】女の貌展

画集のヒットで注目が集まる池永康晟、現代の肉筆浮世絵とも評される岡本東子、端正で華やかな少女像でファンが急増中の中原亜梨沙ら現代作家から歌麿の美人画、木谷千種の掛け軸まで。
日本の作家たちは「女の貌」をどう描いたのか? 

五人の現代作家たち

池永康晟 《轍・真美》池永康晟 《轍・真美》 

其の一、池永康晟

 

池永康晟プロフィール

1965年大分県生まれ。大分芸術緑丘高等学校卒業 日本画家。麻布のキャンバス地に岩絵具で描く美人画は独特な質感と 芳香を放つ。 スペインの小説表紙デザイン、ロシアの文房具、ドイツのラムダ・プリントなど、海外から作品商品化のオファーも多い。

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其の二、岡本東子

岡本東子 《緋に滲む》岡本東子 《緋に滲む》

何気なく手のひらを日に透かしてみる、と言う事は誰もが一度はした事があるのではないかと思う。
私も、緋色に透けた手のひらをしばらくぼうっと見上げていた記憶がある。
骨と血の色が透けて見える。
人体なのだからそれらが見えるのは当たり前の事なのに、その様が、実に不思議に感じて見入る。
そんな些細な事で、夢ではなく、今確かにここに存在しているのだと自覚するのです。

岡本東子プロフィール

1977年京都生まれ、日本画家。東京芸術大学大学院美術研究科日本画専攻修士課程修了。修了作品は東京芸術大学大学美術館買い上げ。安宅賞受賞、平山郁夫奨学金授与、松柏美術館花鳥画展入選。

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中原亜梨沙 《風がはこぶ》

其の三、中原亜梨沙

突然、目の前が真っ暗になってもそれを受けとめられる強さが欲しいと常々思います。
ただそこに立ち尽くすしか方法がなかったとしても、せめて目をつぶらずに自分の足で立っていたいと思います。
限りある時の中で流され漂い、今見ている景色を大切にしていきたいです。

「女の貌展」に寄せて
女の貌。その姿形は私にとって希望の象徴そのものです。
生きている証を、その先にある光 を女性像に託しています。
今回は「匂い立つように」と心がけ描きました。
女性像の息遣いを感じていただけたら幸いです。

中原亜梨沙プロフィール

1984年生まれ。沖縄県出身。2011年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻修了。2012年コピス・アート・プログラム(2月・4月)入選。 三菱アート・ゲート・プログラム15入選。2013年アートフェア東京出品(秋華洞ブース)。2014年個展(伊勢丹浦和店)。岡本東子・中原亜梨沙二人展(秋華洞)

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福永明子 《明くる朝》

其の四、福永明子

「女の貌展」に寄せて
私にとって、女を描くことと花を描くことは、「生」を描く点で同じ感覚です。
顔を描くのは幼い頃から好きでありながら、少々ひねくれ者ゆえ、花を描くことのほうが多く、直截的な表現を避ける傾向がありましたが、今回は、自分の奥にしまい込んでいたものを掘り起こして、素直に描こうと思いました。

福永明子プロフィール

1968年 東京都生まれ 柏市在住
1989年 京都芸術短期大学日本画コース卒業
1995年 第29回東方展入選
2010年 第28回上野の森美術館大賞展入選
日本橋・柏を中心に展示多数。

川畑絵 《荻風》

其の五、川畑絵

花風吹く中、風越しにあなたを盗み見る。あなたも、私を盗み見てる。散る花びらを口実に照れるふり。

「女の貌展」に寄せて
「記憶」を描いて自分の中の自分と対話することで、世界での自分の位置をはかっています。 私の作品をご覧になった方が、記憶の中の様々な気持ちを思い出し、その瞬間は時が止まったように... 自分の中の記憶と自然に向き合って、できれば幸せな気持ちになっていただければ幸いと思い制作しております。

川畑絵プロフィール

1981 神奈川県生まれ
2008 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻 卒業
個展
2009 「月下美人」馬車道大津ギャラリー
2010 「bijin~あかね色~」十一月画廊
2011 「sen~あさぎ色~」ギャラリイK
2012 「Un Profil」十一月画廊
2013 蔵丘洞画廊

先人の描いた「女の貌」

歌麿 《當時全盛美人揃 小紫》(部分)歌麿 《當時全盛美人揃 小紫》(部分) 

 

喜多川歌麿プロフィール

宝暦3年(1753)?~文化3年(1806) 浮世絵師。版元蔦屋重三郎の知遇を得て、天明後期から寛政前期(1800年前後)に掛けて同版元の多色摺による絵入狂歌本多数に作画し、刊行する。写実的な新境地をみせて次第に人気上昇。寛政3年頃には「美人大首絵」という新様式の 美人画 を発表。背景を雲母摺や黄潰しで処理した独特の様式で美人絵師の第一人者となる。

木谷千種 《雪月花》 (部分)木谷千種 《雪月花》 (部分) 

 

木谷千種プロフィール

明治28(1895)大阪~昭和22(1947)大阪 日本画家。 夫は近松門左衛門研究家木谷蓬吟。池田蕉園、北野恒富、菊池契月等に学ぶ。美人画を得意とする。島成園、松本華羊、岡本更園と「女四人の会」を結成。画塾「千種会」を設立し、後進を指導した。文展無鑑査。