東京銀座ぎゃらりぃ秋華洞

【特集】Flowers

「花」は美しいだけではない?
ときに素朴に、ときに生命の題材として描かれる花々。若手日本画家が彩る、色とりどりの「花」と出会う場所。
若手作若手作家4人による「花」をテーマにした展覧会です。
参加作家:定家亜由子・岡本東子・中原亜梨沙・福永明子

岡本東子

width="250"岡本東子《降る花》

岡本東子 - 降る花

 地に向かって降るように咲く花。 枝垂れる椿はなかなか見かけないが、天に向かう花とはまた違う美しさを感じた。 いずれ落ちて地に還り、また花となるその小さな循環の一端を目にし、描いてみたいと思った。

Q.自身にとって「花」を描くこととは?

普段女性像を描く事が多いですが、花にも女性性を強く感じています。 儚い美しさではなく、揺るぎない強さをもった美しさ。 花を描く事で、季節を描くというような単純な事ではなく、 私は花を描く事で、内にある強さを描きたいと思っています。

中原亜梨沙

中原亜梨沙《舞》中原亜梨沙《舞》

中原亜梨沙 - 舞

 生花のように飾られた花は自らの輝きをさらに増し、安らぎと潤いを私に与えてくれます。 その反面花に残された時間は多くありませんが、それを感じさせない凛とした姿と強さを形にしたいと思いました。

Q.自身にとって「花」を描くこととは?

花を描くことによって、日々変化していくという現実を客観的に受け入れることが出来ます。「何が大切なことなのか。」花と向き合うたびに想いを巡らせます。

定家亜由子

定家亜由子《奏 -空へ-》

定家亜由子 - 奏 -空へ-

 モチーフは牡丹と熊蜂。作家が毎年アトリエで咲かせて写生している牡丹を初めて本画にしました。熊蜂の羽根には空の色が映り、目指す空の星には願いや希望のようなものを込めています。

Q.自身にとって「花」を描くこととは?

植物のもつ溢れんばかりのエネルギーが放つ美に惹かれて描いていますが、そこには、研ぎ澄まされた無駄のない感覚と、ただ生き抜くこと事のみが目的としてあって、その強く美しい姿に自分もこう在りたいと描き進めるうち、やがて対象とひとつになる感覚に喜びを覚えます。 地中を深く求めていく根や、表皮に覆われながらもそれを超えて空へと伸ばそうとする枝葉、そこに、虫たちが節や刺のある脚で這って感触を伝えたりする。 命の営みにこちらも裸になって向き合い、画面にくらいついている時が私にとっての官能性でもあり、そのことで、同じ大地で自分も確かに生かされていると強く思えるのです。

福永明子

福永明子 - 蜜

福永明子《蜜》

日本原産のカサブランカの、奔放な曲線美が好きです。
写生している間に、雌しべの先端に蜜が溢れて滴り落ちた。 この高貴で純潔な花の中に存する、生命の根源たる男性性と女性性の融合。

Q.自身にとって「花」を描くこととは?

私にとって、女を描くことと花を描くことは同じ感覚ですが、時に花は、より雄弁に私の描きたい情熱を表現してくれます。 美しいものの美しい今 を、心から美しいと愛でて、描く。 そこには「生」そのものを慈しむ時間が流れます。 そんな生への歓喜が、作品から表出できればいいと思っています。