KOGEI Art Fair Kanazawa
2024年11月29日(金)〜12月1日(日)
中原の描く女性像を見たときひとはどこかで見たことがあるように思うかもしれない。
何か強烈なモードを意識したような女性像だ。実際、化粧品会社の広告にも採用された。
中原の画は、なまなましい人間を描こうとはしていない。その意味では、秋華洞で同じく扱いのある岡本東子とはまるで対照的だ。
むしろイラスト的なバランスと完璧さを求める。
徹底的に人工的な世界だ。
彼女の画は、驚異的に描写が細かい。
画に近寄っても、まったくディテイルがわからない。これは実は珍しいことだ。普通は筆跡が残る。
その筆跡が「絵」なのだ、ともいえるのに、まるでロボットが描いたような、完璧な世界だ。
彼女は、作品の背景としての自分を消したいのだという。
作家本人は極めて快活で明るい女性だが、製作姿勢は極めてストイックといえるかもしれない。
秋華洞として二代目、美術を扱う田中家としては三代目にあたります。美術や古書画に親しむ育ち方をしてきましたが、若い時の興味はもっぱら映画でした。美術の仕事を始めて、こんなにも豊かな美術の世界を知らないで過ごしてきたことが、なんと勿体無い日々であったかと思います。前職SE、前々職の肉体労働(映画も含む?)の経験も活かして、知的かつ表現力と人情味あふれる、個人プレーでなくスタッフひとりひとりが魂のこもった仕事ぶり、接客ができる「美術会社」となることを目指しています。