作品解説
童謡研究にも優れた夢二は、大正中期から後期にかけて「ねたかねなんだか」の民謡に取材した作品を手がけている。自身が編集した『あやとりかけとり 日本童謠集』(大正11年刊)においても、本歌は桜柄の布団に包まれて眠る子どもの挿絵と共に掲載された。本作では、枕元に青い目の西洋風人形が寄り添い、幼子の愛らしさを一層伝えている。寝息まで聞こえてくるかのような健やかな面持ちに、画家の愛情深いまなざしが感じられよう。
【読み】
ねたか
ねなんだか
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竹久 夢二(たけひさ ゆめじ)
明治17(1884)岡山~昭和9(1934)長野 日本画家、詩人。本名、茂次郎。早稲田実業学校専攻科中退。藤島武二に私淑し、新聞や雑誌に挿絵を描く。叙情的ないわゆる夢二式美人画で、明治末から大正初期にかけて一世を風靡した。