2010-06-07日本美術そうだったのか通信
『日本美術そうだったのか通信』Vol.218 菅直人政権と「文化」度。

2010/6/7発行

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もくじ
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・ご挨拶&お知らせ
・社長メッセコーナー:千秋のそうだったのかニュース 
 菅直人政権と「文化」度。
・カタログ23号「春」よりご紹介 ~Do You Know 尾竹三兄弟?~
・ネットで愉しむ秋華洞

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■□■ ご挨拶&お知らせ □■□■□■□■□■□■

 5月28日より弊社画廊にて開催していた『秋華洞 動物尽くし』が無事閉幕い
たしました。期間中はリピーターの方から初めての方まで、たくさんのお客様に
お越しいただきました。TVで視聴率を取るにはラーメンか動物を出すとよい、と
いう話を聞いたことがありますが、やはり生き物の姿というのは人の心を惹き付
けるんですね。次回秋華洞の企画展示は『ラーメン尽くし』でいきたいと思いま
す(冗談です)。

『秋華洞 動物尽くし』開催中の模様
http://www.syukado.jp/jp/gallery/2010dobutsudukushi02.html

『秋華洞スタッフブログ』 リニューアルしました!
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さて、今回も新着作品情報から弊社社長の政治論まで、内容もりだくさんでお届
けいたします。ぜひ最後までお付き合いください。

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■□ 社長メッセコーナー:千秋のそうだったのかニュース ■□
菅直人政権と「文化」度。

 菅直人内閣が発足しました。政権投げ出しが続いたひ弱な「二代目」首相の連鎖
がここで断ち切られ、若い顔ぶれが閣僚に並んでいるのはいいのですが、いささ
か不安な事がひとつあります。

 それは菅直人氏の「文化度」です。

 以前にも書きましたが、彼は、例の箱物「国立メディア芸術総合センター」をテ
レビで「国営マンガ喫茶」と切って捨てました。今の予算の使い方として、箱物
にお金を費やして行政のムダをやっている場合じゃあないだろう、という批判自
体はよいとしても、あまり中身について深く考えず、とりあえず野党として攻め
口があれば言っとこう、という態度に見えました。今後、日本は固有の文化をど
のようにアピールしていくか、という視点を持った上で批判しているようには見
えませんでした。

 「文化」について深く理解していることは、政治家や、ビジネスリーダーにとっ
てふたつの意味で重要だと思います。

 第一に、「国」というものは「領土」と「国民」で成り立っているわけですが、
もしそこに共通の守るべき価値、がなかったとしたら、国をもり立てていく動機
づけも、また、外国からの敬意も得られないでしょう。日本の場合は、皇統一系
による安定した政治体制によりもたらされた、文学・芸術の基礎と、江戸いらい
花開いた浮世絵・マンガ・映画などの大衆文化は、世界でもまれに見る豊穣さを
育んできたのだから、その強みをより活かした戦略、というものを考える力を持
つべきだからです。

 第二に、文化、芸術、というものは日常の枠組みに形を与えて、しかも壊すなか
で、人間とは何か、社会とは何か、という事についての知恵と経験を蓄積してき
ました。ですから、それを学ぶことで、私たち個人で出来る経験を超えた情報に
基づく、人生観や、行動の指針を読み取る事ができます。

 「普天間」をめぐって、日本と世界をさんざん引っ張りまわしておきながら、サ
イゴに「勉強不足」でした、とテーブルをひっくり返した鳩山さんに象徴される
ように、いわゆる「サヨク」の人は、目先の現実に対して、深い歴史認識などな
んの関係もなく、勉強不足の理想主義を当て嵌めて虚言を弄する、という印象が
あります。発言に深みが無い。おそらくタンジュンな思想に嵌る人は、さして文
化・芸術に深い知識も興味もない人が多いのでしょう。十分に堆肥の栄養分を与
えた土壌からしか、本当に美味しい作物が育たないように、文学や映画、芸術の
十分な滋養なしに、まともなリーダーが育つとは思えません。

 たとえば石原慎太郎さん。ベストなリーダーとも、優れた文学者とも必ずしもい
えないかもしれませんが、その発言が注目され、たしかに真実をついていて面白
いのは、彼の教養・素養が「政治家」としての狭い枠組みをはるかに踏み越えて
いる部分があるからだと思います。いまの政治家がどこか頼りなくてひ弱に見え
るのは、彼らが文化に触れる「教育」の部分で、日本のシステムに重大な間違い
があるのではないか、という気さえ致します。

 いいものに触れて、楽しむ、深く考える、感動する、そうした経験をもっともっ
と共有出来る社会になることが、私たちが生き残る上でも重要ではないでしょう
か。政治家や、政治を目指すひと、そして官僚の方々にも、もっと広い視野と経
験を持つ努力(一番てっとり早いのは読書だと思いますが。哲学書でも恋愛小説
でも、歴史小説でも..。白洲正子でも源氏物語でも。で、美術館、映画館。よろ
しければ画廊にも)をしていただきたいな、と思います。「隠れ左翼」的な民主
党、はっきりいっておっかないです。日本を本当に壊してしまうかもしれない。
よく見ていきたいですね。

田中千秋社長のブログ『丁稚ログ』
http://www.aojc.co.jp/blog/

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■□ カタログ23号「春」よりご紹介 ~Do You Know 尾竹三兄弟?~ ■□

 カタログ初夏号の編集ももうすぐ終了。現在、最終チェックをスタッフ総出で
行っております。どうかいい本ができますように!

 さて、最近は夜空を見上げるには気持ちのいい気候が続いていますが、今回は
“月”にちなんだロマンチックな作品をご紹介します。

 尾竹国観は明治13年に新潟市で生まれました。2人の兄と共に幼いころから絵
の才能を発揮していた彼は、上兄・尾竹越堂と一緒に上京すると、高橋大華、小
堀鞆音らに師事して歴史画を勉強しました。

 その後一度は帰郷して富山に移り、新聞の挿絵や売薬版画を描く生活を送るも
のの、画家としての才気は鎮まることを知らず、数々の名だたる賞を受賞した末
に、今度はふたたび次兄の尾竹竹坡と共に上京しました。

 日本美術協会、日本美術院などに意欲的に作品を出品し、新進作家として名を
馳せた彼は、当時活発化していた国家主導による美術展覧会・文展の推進派と反
対派の対立で紆余曲折ありながらも、青年期より養った歴史を題材とした大作を
文展で数多く発表し、2人の兄とともに“尾竹三兄弟”として活躍しました。

 最新カタログNo.43『かぐや姫』は、ぽっかりと浮かんだ満月を背に、雅な羽
衣をまとったかぐや姫が天に上る姿をとらえたもの。寂しげな視線の先には、描
かれなかった優しき老夫婦の姿が感じられます。

 教科書や雑誌、絵本の挿絵なども手がけた国観の親しみやすさが滲んだ逸品で
す。

尾竹国観『かぐや姫』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/ODAKE_KOKKAN/A10-0131.html

カタログ会員申込み または 今号のみ請求の窓口は↓まで。
https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/mpmailec/form.cgi

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■□■ネットで愉しむ秋華洞 ~新着作品~ ■□■□■□■□■□■

□ 椿貞雄 『桃』
これくらいの色づきが、個人的には好みです

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/jpn/A10-0074.html

□ 谷角日沙春 『佳人図』
美人=色白の最強方程式。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/kake/A10-0111.html

□ 尾竹国観  『かぐや姫』
花びら舞い散る別れ際。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/kake/A10-0131.html

□ 山川秀峰 『鏡獅子』
獅子の表情が意外にユーモラス!

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/kake/A09-0708.html

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■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただきありがとうございました。
秋華洞メルマガ編集担当、林久美子がお送りいたしました。

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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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