2008-05-29日本美術そうだったのか通信
Vol.158 カタログ14完成!

□■『日本美術そうだったのか通信』Vol.158 カタログ14完成! ■□

発行 株式会社 秋華洞http://aojc.co.jp/
おんらいんぎゃらりい秋華洞http://www.syukado.jp/

————————————————————
※配信メールアドレスの登録、変更、解除は下記リンクへ
http://www.syukado.jp/sodatta/kaijo.html
※バックナンバーはこちら
http://www.syukado.jp/sodatta/index.html
解除できない場合は、経由しているメールスタンドをご確認下さい。
(まぐまぐ、メルマで登録されている方は上記リンクの中にそれぞれの
 メールスタンドの案内がございます。)
————————————————————
<本マガジンの説明>日本美術の鑑賞界のホットニュース、古今国内東西の
作家のエピソード、美術業界裏話など、日本美術をより楽しむための情報を
お届けします。秋華洞提供。
————————————————————

■□■□■□■□■□■□■
もくじ
—————–
・ご挨拶
・カタログ14
・プレゼントキャンペーン
・ネットで愉しむ秋華洞

■□■□■□■□■□■□■

■□■ ご挨拶 ■□■

いつもの秋華洞とは一味違う雰囲気で幕を開けた斉藤真一展。
連日多くのお客様にお越しいただいて、私達も嬉しい限りでございます。
遠くから、この展覧会の為に足を運んでくださった方もいらっしゃり、
私達も大変励みになります。

あと数日開催しております。そして明日は銀座夜会の日です。
ワインやチーズなど用意して、皆様をお待ちしております。
いつもは画廊に足を運べない方もこの機会に、妖しげな秋華洞に
足を踏み入れては・・・。

銀座夜会はこちら→→http://www.ginza-galleries.com/

■□■□■□■□■□■□■□■□■□

■□■ カタログ14  ■□■

 今回のカタログでは、「森」という名前の人の作品が3つ続きます。
森徹山(1775〜1841)、森一鳳(1798〜1871)、森寛斎(1814〜1894)の3名です。
森狙仙(1747〜1821)をはじめとする“森派”は、その緻密な描写力による動物
の絵で、江戸後期の大阪を中心に人気を博し一派を成します。

 狙仙は写実的な毛描きの猿の絵を得意とし、はじめ“祖仙”であったのが、
猿を意味する“狙”に字を改めたのも、彼の猿画の人気を物語るものでしょ
う。
 ついで徹山は円山応挙の高弟であり、狙仙の養子となった画家(実は狙仙の
兄・周峯の子です)。その養子が一鳳、そしてその養子が、明治以降近代の
画家に絶大な影響を与えた森寛斎です。

 今では「写実」という言葉は当たり前のように使われておりますが、日本に
はもともと写実の概念はないといっても過言ではありません。よく、円山応
挙を評して、「写実」画法を大成したと言いますが、これもやはり、概念的
なものでしかない。動物の骨格を研究した、デッサンに基づくデフォルメの
ないリアルな絵、この誕生は、近代を俟たねばならぬのです。

 しかし、応挙および円山四条派の技法が、なぜそんなに写実写実と言われる
ようになったかといったら、それはこの「猿描き狙仙」を始めとする“森派”
の存在があったからではないか、というような気がします。
 
 もちろん、それまでの南蘋派の影響などもあるとは思いますが、一般レベル
で、“本物そっくりで、まるで生きているよう!”というのが有名になった
のは、大坂における「狙仙の猿」の人気が、歴史上最初のケースなのではな
いかと思います。ちなみに狙仙の猿は、現在でも贋物がかなりの量存在しま
す。それほど名高かったのです。

 そこに、応挙の高弟であった徹山が養子に入ることで、森派=写実のイメー
ジのみならず、応挙=写実のイメージも補完することになったのではないか
と考えるのです。 

 しかし、徹山は応挙の、写実ではない側面を画風に取り入れていったようで
す。それは、複雑な形をコンパクトに、すっきりした線に纏め上げるという、
およそ写実と対照的な方法。四条派の祖である呉春、および与謝蕪村のやり
方に近いものです。

 そして、精緻な毛描きも、すっきりした造形も、いずれも「分かりやすさ」
に結実して大阪で喜ばれるようになります。その大阪画壇の明快な雰囲気を
象徴するのが、森一鳳の存在です。一鳳の「藻刈り船図」の絵が、「藻を刈
る一鳳」すなわち「儲かる一方」というダジャレで、大阪の商人たちに喜ば
れたというエピソードは有名です。

 森派の存在は、絵が鑑賞者にとって決して崇高なものではない、近しいもの
だった頃の雰囲気を象徴すると思います。

 日本美術における“写実”の概念は、そうした鑑賞者間の“ノリ”的な雰囲
気の中から形成された、と言えるのかもしれません。さて近代の大家・森寛
斎は、この路線をどうしたのでしょうか。それは次号。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

■□■ プレゼントキャンペーン  ■□■

東京都現代美術館で4月29日から開催される、『大岩オスカール 夢みる世界』
プレゼントキャンペーンにたくさんのご応募ありがとうございました。

当選者の発表はこちら
→http://www.syukado.jp/jp/support/present/mpmail/form.html

これからもプレゼントキャンペーンを定期的に行う予定ですので、今回当選
しなかった方も、あきらめずに次回のチャンスを楽しみにして下さいね。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

■□■ ネットで愉しむ秋華洞 〜今週のアップ作品〜 ■□■

□ 川辺御楯 「岩佐又兵衛模鏡美人図」

ウェーブがかった、髪を下ろした美人の妖しげな美しさ、表装がさらに妖し
さを引き立てています。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/KAWABE_MITATE/A08-0019.html

□ 渡辺小華 「草花図」
何を見ても無感動だった外国人のお客様。この作品を広げたときは、思わず「ビューティフル!」
草花にしっかりとした骨子を与え、繊細さの中にも安定感を感じる作品です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/WATANABE_SHOKA/A07-0633.html

□ 森寛斎 「秋山双鹿図」
今回のメルマガでも取り上げました森寛斎。晩年、78歳の一作は、枯淡の味わい深い力作。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/MORI_KANSAI/A08-0097.html

□ 中島清之 「観音」
女性的に描かれた観音像は、なんとも柔らかで慈愛に満ちています。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/NAKAJIMA_KIYOSHI/A08-0098.html

■□■□■□■□■□■□■□■□■□

■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただき有難うございました。
秋華洞メルマガ編集担当、桑田郁子がお送りいたしました。

みなさまからの感想をお待ちしています。
このメールへの返信、あるいは「お問い合わせフォーム」、あるいはカタロ
グ添付のハガキ、FAX連絡用紙、お電話などでも結構です。

☆☆秋華洞に感想でもと思ってくださった方はこちらへ☆☆
「秋華洞お問い合わせフォーム」をご利用ください
https://www.syukado.jp/jp/support/contact/index.cgi

次号もお楽しみに!

■□■□■□■□■□■□■□■□■□

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 美術品無料査定・買取致します。
 秋華洞 高価買取はこちらです。
 http://aojc.co.jp/buy/
 buy@aojc.co.jp
 フリーダイヤル 0120-126-510 (イツモコットウ)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

★★「おんらいんぎゃらりい秋華洞」美しい展示が好評です!

フロントページ


☆★「秋華洞・丁稚ログ」丁稚兼社長・新米美術商の赤裸々な日々
http://blog.livedoor.jp/syukado/
☆☆「秋華洞・スタッフログ」ほぼ毎日更新中!
http://blog.livedoor.jp/syukado_staff/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行 株式会社 秋華洞 
http://aojc.co.jp/  TEL 03-3569-3620
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
代表取締役 田中自知郎・田中千秋
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
秋華洞のご案内

主に日本の美術品・古美術品を中心に、幅広く取り扱っております。

 近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。

弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

(代表プロフィールは↓)
http://aojc.co.jp/corp/profile/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ご意見、お問い合わせは、→ info@aojc.co.jp
(またはこのメールへご返信下さい!)
◎バックナンバーはこちら →
http://www.syukado.jp/sodatta/index.html

◎秋華洞自社配信分【日本美術そうだったのか通信】の
マガジン登録、解除→
http://www.syukado.jp/sodatta/index.html

まぐまぐ《日本美術そうだったのか通信》の登録・解除→
http://www.mag2.com/m/0000138331.htm
melma<日本美術そうだったのか通信>の登録・解除→
http://www.melma.com/backnumber_124770/
※melma!配信分は件名が<日本美術そうだったのか通信>となっています。

※※まぐまぐ配信で登録された方は、まぐまぐでの解除をお願いします。
自社配信登録解除URLでは、まぐまぐ配信分の「解除」は行えません。