2008-03-26日本美術そうだったのか通信
《日本美術そうだったのか通信》Vol.151展覧会千本ノック!11本目!

□■『日本美術そうだったのか通信』Vol.151展覧会千本ノック!11本目!■□

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もくじ
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・ご挨拶
・展覧会千本ノック!11本目!
・ネットで愉しむ秋華洞
・古美術の名脇役

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■□■ご挨拶■□■

やわらかな春の日差しが嬉しい季節となりました。
4月からの新生活に向けて、準備を進めている方も多いのではないのでしょうか?
あと一息の春を待つばかりですね。

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■□■展覧会千本ノック!11本目!■□■

展覧会千本ノック! 熊谷守一展久々の本コーナーです。

熊谷守一の展覧会が、埼玉県立近代美術館で開催されておりました。
岩手・山形・岡山と巡回してきたこの展覧会の、最後の巡回地が北浦和です。
これは絶対必見でしたよ。皆様ご覧になりましたか?

「絵でも字でも、うまくかこうなんてとんでもないことだ」という守一の画
業全体を見渡したこの展覧会。守一の画風の変遷や、人となりが非常によく
分かる展示で、何より学芸員の方の「好き」という気持ちがめちゃくちゃ伝
わってきた展覧会です。 「うまくかこうなんてとんでもない」という守一
は、モチーフを単純化し、色と形の絶妙な対比をみせる画風を確立します。
晩年のマチスに近いと思うかもしれません。単純なモチーフながら、油絵は
非常に塗り込みが丁寧です。 

それに対して、本展では守一の日本画や書の作品も多く展示しています。個
人的には、この日本画作品がたまらん!こちらは、一瞬の気韻を宿した、非
常に筆遣いが速いものです。

 洋画と日本画と書を並べて観て、私はつくづく思いました。この人は、江戸
時代の与謝蕪村や渡辺崋山が目指した、「俳趣」を画に宿した、最後の人で
あると。この「俳趣」というのは、単なる俳句趣味というわけではありませ
ん。絵において、「重み」ではなく、「軽み」を目指すという態度です。う
まく描こうとするのではなく、極彩色で丁寧に描くでもなく、崋山いわく
「なるだけ悪しく描くべし」。

すなわち、その人の人間としての自然な姿を、ダイレクトに紙に宿すという
作業というべきでしょうか。 この態度を喜ぶ風潮は、画家の側も、コレク
ターの側も、今では全く理解されなくなったように思います。

しかし、昔は確かに、こうした名品に千金の値を払う人たちがいた。本展は、
熊谷守一という人間をよく感じ取れるということもさることながら、こうし
た「俳趣」を、現代に是非とも蘇らせたい思いを強くさせられました。 

実は、こうした目で、守一を見ていた彼のパトロンがいます。名古屋の木村
定三氏です。時代もジャンルも問わず広く美術品を蒐集し、蕪村や浦上玉堂
と共に守一を愛したこのコレクターの目は、失われつつあった「俳趣」を守
一に見出していたのだと思います。

名古屋の愛知県美術館では、「木村定三コレクション名作選」 が開催され
ておりました。木村定三のコレクションと共に、守一の作品も多く展示して
おりました。埼玉と名古屋、この2つの展覧会を合わせてご覧いただいた方
もいらっしゃるのではないのでしょうか。

残念ながらどちらもご覧になれなかった方は、豊島区千早にある熊谷守一に
ダッシュしてください!

熊谷守一美術館 http://kumagai-morikazu.jp/

それにしても、木村コレクションを、やっぱり「素朴」という言葉でしか片付
けられない現代。惜しむべきです・・・

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■□■ ネットで愉しむ秋華洞 〜新着作品〜■□■

今週の新着です。

□ 鏑木清方 『陽炎立つ野辺』
爽やかさと、清方の瀟洒な人物描写がよくマッチした作品です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/KABURAGI_KIYOKATA/A07-0841.html

□富田渓仙 『枝垂梅図』
色彩の淡さがほのぼのとした春の気分を伝えています。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/TOMITA_KEISEN/A07-0838.html

□野村文挙 『岩上亀之図・稚松鶴之図(双幅)』
近代写生画の扉を開いた画家の作品を是非ご覧下さい。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/NOMURA_BUNKYO/A07-0714.html

□廣瀬淡窓 『二行書』
常に隠遁と清閑を求めた淡窓の思想が、素直な筆致とともに表れています。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/kohitsu/HIROSE_TANSO/A08-0057.html

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■□■古美術の名脇役〜唐辛子〜■□■

先日弊社スタッフが古い掛け軸を掃除していたところ、中から唐辛子が出て
きました。

「あら?唐辛子食べながら、掛け軸巻いてたのかしらね。」

会長「それは虫除けじゃ!」

唐辛子には殺菌・防虫・カビ止め効果もあり、昔は米びつの虫除けに唐辛子
を入れておくということもあったそうです。

ヨーロッパではコレラや赤痢などの消毒剤として利用されていたこともある
のだとか。

掛け軸の中から出てきた唐辛子を眺めながら、ほっこり持ち主の温かさが伝
わってくる様な出来事でした。

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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
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