2007-07-21日本美術そうだったのか通信
Vol.128 お知らせ

□■□■ 『日本美術そうだったのか通信』Vol.128 お知らせ

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もくじ
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・ご挨拶
・これが絶品!カタログ10
・古美術の名脇役 <眞田紐> その2
・ネットで愉しむ秋華洞 <新着作品>
・買い取り査定
・夏期休暇のお知らせ

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カタログ10が完成し、早速多数の御注文を承っております。

今回は一点の作品に集中的に注文が殺到し、お断りしなければならない事も
多く、大変心苦しくもありました。

お問い合わせくださった皆様、誠にありがとうございます。

どの作品もすべて一点ものですので、なるべく早いご用命お待ちしておりま
す。

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■□■これが絶品!カタログ10□■□

奥村土牛 「ゆづ」 この作品は、是非実際に見ていただきたい作品です。
あたかも、早く起きた朝に、自宅の庭のゆずを手折って、どれ、ひとつスケッ
チしてみよう、というくらいのノリだったのではないかと思うのですが…。

線や構成はものすごく単純。なのに、異様な重厚感のある作品なのです。
小林古径ゆずりの、恐ろしくひんやりとした線に、今村紫紅や速水御舟が追
求したような、セザンヌなどの洋画の色彩感覚に影響を受けた温かみのある
色彩。その二つが、ゆずという単純なモチーフの中で溶け合っている本作は
不思議な存在感を放っています。

奥村土牛は明治22年(1889)に生まれ、平成元年(1990)、なんと101歳で亡く
なりました。梶田半古の画塾に入り、塾頭格の小林古径に指導を受けた、と
いうのはまさに前田青邨などの戦前〜戦後を生きた画家たちの時代と重なる
ところですが、平成まで生きたのは土牛ただ一人です。

土牛は、このようなスケッチをよくしたようで、早くから『スケッチそのを
りをり』(大正6/1917 朝陽社書店)といった画集を出しています。また俳句
もよくしました。このような、四季の折々を楽しむ趣味人的な生き方が、長
生きの秘訣であったのでしょうか。しかし、この『ゆづ』に見る、軽さの中
に、ズシっとした“厚み”を残す土牛の境地は只ならぬものであると思いま
す。単純なように見えて、ものすごく神経を尖らせて描いているのがひしひ
しと伝わってきます。悠々自適な生活を好みつつも、全身全霊を込める何か
がある。長生きの秘訣は、これなのかもしれません。

カタログ請求はこちら → https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi

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■□■古美術の名脇役 <眞田紐> その2の巻き□■□

前回も真田紐を取り上げましたが、あれは「運搬用」としての真田紐。
今回は「美術品の一部」としての真田紐の御紹介です。

美術品の価値とは、必ずしもモノそのものだけでは形成されません。
箱や付属物、添付物なども合わせて、それらが加わった上で相対的に価値が
形成されます。

工芸品を入れる箱などには、たいがい、真田紐が通されていて、蓋の上でそ
れを結んで箱を押さえてあります。掛け軸の二重箱などにも、この紐がつい
ているものがあります。この真田紐は、あくまで「飾り」です!決して「持
ち手」ではありません。特に古いモノであれば、この箱についた紐が価値を
帯びて、あるかないか、状態の如何によって美術品そのものの価値を左右す
ることもあります。

私も入社当時、何気なく、箱ではなく二重箱に付いている真田紐だけを持っ
て、棚に作品を置こうとしてしまった時に、「紐だけを絶対持つな!」と怒
られた経験があります。みなさまも、美術品を運ぶ際は必ず紐ではなく、箱
の方を持ってください。ともかく、真田紐は丈夫な運搬用の紐としての信頼
だけでなく、美術品の価値を保証するもののひとつとしても使われるのです。
まさに一種のブランド紐。この“箱の真田紐”に凝るコレクターの方も多い
ようですよ。

私などは、このような複合的な価値観を含んだ真田紐というモノ自体、考え
れば考えるほど不思議なモノだなぁと思うのです。紐そのものの歴史自体が
生んだ複合性、なのでしょうかね。

※ちなみに、この眞田紐は眞田紐で本来間違いはないのですが、我々美術業
者の中ではこの紐を眞田紐と呼ぶことはほとんどありません。美術商の中で
「眞田紐」というと、前々回のメルマガでお知らせした運搬用の紐のことを
指します。

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■□■新着作品■□■

今週もできたての盛夏号から、新着7点アップしました。

□ 日本画からは、美しい軸装、堂本印象「白鷹」をご紹介。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/DOMOTO_INSHO/A07-0249.html

またお求めやすい浮世絵の作品も多数ピックアップしています。

□ 先週から引き続き三代 豊国「隅田川渡船之図」

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/SANDAI_TOYOKUNI/A07-207.html

□ 月岡芳年「芳年漫画」

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/TSUKIOKA_YOSHITOSHI/A07-191.html

□ 小林清親「今戸有明楼之景」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/KOBAYASHI_KIYOCHIKA/A07-203.html

□ 小林清親をもう一点「亀戸梅屋敷」

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/KOBAYASHI_KIYOCHIKA/A07-204.html

□ 中沢弘光「三井寺」

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/NAKAZAWA_HIROMITSU/A07-0186-1.html

□ 中沢弘光「舞妓」すやすやとこちらまで眠くなってしまいそう。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/NAKAZAWA_HIROMITSU/A07-0186-2.html

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■□■買い取り査定■□■

新たにリニューアルされた「鑑定マニュアル」ですが、メルマガの反響もあ
ってか、先週も随分御注文を承りました。

鑑定歴40年の弊社会長の査定について、先週もお伝えしました。重要文化
財も数々扱い、業界でも定評ある弊社会長の元、買い取り査定を行っており
ます。

お家にあるお宝を売却されたい方、御連絡お待ちしております。

秋華洞簡易査定フォームはこちら →https://www.aojc.co.jp/buy/buy1.cgi

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■□■夏季休暇のお知らせ■□■

誠に勝手ながら、8月6(月)・7日(火)は研修旅行にて休業させていただ
きます。

研修旅行は岡倉天心や横山大観をはじめとする、日本美術に大きな影響を与
えた作家達、そして日本美術院の跡地を尋ねる旅行を予定しております。

メール、FAXは24時間受け付けておりますが、詳しいお返事は8日以降
となりますので御了承下さいませ。

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■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただき有難うございました。
秋華洞メルマガ編集担当、桑田郁子、中島洋平がお送りいたしました。

みなさまからの感想をお待ちしています。
このメールへの返信、あるいは「お問い合わせフォーム」、あるいはカタロ
グ添付のハガキ、FAX連絡用紙、お電話などでも結構です。

☆☆秋華洞に感想でもと思ってくださった方はこちらへ☆☆
「秋華洞お問い合わせフォーム」をご利用ください
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次号もお楽しみに!

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代表取締役 田中自知郎・田中千秋
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主に日本の美術品・古美術品を中心に、幅広く取り扱っております。

近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。

弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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