日本美術のホットニュース、業界裏話など、
お届けします。株式会社秋華洞提供。
——————————
『We Love 暁斎』展のご案内と河鍋暁斎《素戔嗚命の九頭龍退治》によせて【
~作品タイトル苦心してます~
さて、11月8日(金)から17日(日)まで、弊ギャラリーにて
河鍋暁斎作品と暁斎をオマージュした現代作家作品を展示する
『We Love 暁斎』が始まります。
会期:2019年11月8日(金)〜17日(日)
会場:ぎゃらりい秋華洞
時間:10:00〜18:00
備考:会期中無休 入場無料
詳細はこちらからどうぞ。↓↓↓
https://www.syukado.jp/
カタログ61号の表紙となりました暁斎の《
掛軸も展示いたします。
大胆にして繊細な描きぶりの逸品です。
その他、《鍾馗・美人・鬼》の三幅対の掛軸も面白く、必見です!
さらに、
●これぞ暁斎の名画《地獄太夫》
描ききる岡本東子。絢爛豪華な打掛の描写にもご注目ください。
●何でも描ける、さすが“暁斎”!
平良志季の《We Love暁斎》。
●
根付《幇間》とサンゴを素材とした《猫又》。
●
《線を捕まえる猫図》― 河鍋暁斎 蛙を捕まえる猫図より、
●ますます技術に磨きがかかる若き釜師、江田朋(
茶の湯に落とし込む暁斎の奇想の世界。飾って良し!使って良し!
実は、まだギャラリーに届いていない作品もありまして、
ワクワクドキドキで待っています。
もちろん、これらの作品は会場でご購入いただけますので、
銀座も秋の彩り、銀ブラも楽しい季節でございます。
芸術の秋、そして銀ブラを楽しみに、ぜひご来廊くださいませ!
——————————
お次は、《素戔嗚命の九頭龍退治》によせての「そうだったのか」をお送りします。
実は本作の箱には堂々と「山田之大蛇」と書かれているのです。
ではなぜ「山田之大蛇」とそのままタイトルにつけなかったのか?
述べるとして、まずは、「ヤマタノオロチ」と読むだろうこの「
「山田」と漢字をあてたかについて考えてみましょう。
改めてよく大蛇をご覧ください。
https://www.syukado.jp/
もしくはちょっと小さくて見づらいですが、
https://www.syukado.jp/
描かれた大蛇の長い首は八又に別れているわけではなく、
連なる姿で描かれているのがわかります。
「ヤマタノオロチ」といえば「“八岐”大蛇」
このオロチの首は八方向に分岐しているわけではないため、
あえて「“山田”之大蛇」
加えて、「山田」と書いたのには、
信州(長野県佐久市)には素戔鳴尊がヤマタノオロチを討った際、
オロチの魂が鳥になってこの地に飛び石に宿ったと言われる蛇石明
「山田神社」があることに由来していると思われます。
この土地はヤマタノオロチにちなんで、「山田」
山田神社の蛇石信仰は上州一体にまで伝わって、
伝えもあることから、「山田」
(昔は同じ音なら、
そうなると、この箱書きの人物はなかなかの知識人…!?
しかしながら、
(つまり共箱ではない)と考えられます。
とすると、この堂々たる《山田之大蛇》
ところで、暁斎の作品は共箱でないことが多いかと思います。
スタッフ個人的な意見ですが、暁斎のその絵画スタイルや、性格、
掛軸に仕立ててお納めするというよりは、まくり(本紙のみ)
仲介人や客や知人に作品を渡していることが多いからではないでし
さて、作家の箱書きといえば、作者本人以外には、
娘(少ない)、または孫などが認めたものがあります。
さらに、その他の親族、画家の友人知人、
関係性不明ですが他分野の有名人や歴史に名を残す富豪や実業家、
さらに元所有者といった、
表記の仕方には「〇〇極」「〇〇鑑」「〇〇識」「〇〇観」
〇〇には箱書きの人物名が入り、
さて今回の作品、その署名がありませんので、
残念ながら情報が少なく、突き止めることできませんでした。
この部分、実はかなり大切で、できる限り突き止めて、
努めているのですが…これについては無念でなりません。
さて、作品タイトルに戻りまして。
普段我々は、画廊がむやみに作品の名付けるのは憚られるため、
また元の持ち主を尊重して、よっぽどのことがない限り、
タイトルをそのまま掲載することにしています。
それは他の美術商さんや画廊さんや研究者さん、
そうではないかと推察します。
なぜなら、今作品を見ている私達より、その箱が作られた時、
何らかの墨書をされた時のほうが、
そして、その時間と物理的な移動遍歴の違いによって、
人の数が今より確実に少ないはずだからです。
人手に渡る度に情報が失われてしまう可能性が高まるとすれば、
今日の私達より、過去の箱書きの人物のほうが、
今は失われていたとしても、箱書きした人物や、
弟子にしかわからないモチーフや来歴など、
その情報をもとに箱書を認めた可能性がわずかにでもあるのなら、
私達はその痕跡を少しも消したくないのです。
そして、不用意に付けた題名が、ときに独り歩きして、
もののように後世に残ることは、
ですが、本作《素戔嗚命の九頭龍退治》
カタログに掲載することにしました。
もちろんスタッフの勝手気ままにタイトルを変えるわけではありま
作品研究を進めるにあたって、
私達は作品の真意を未来に引き継ぐ責任を負って、
と、少々重々しく書いてまいりましたが、
したわけではなく…、
大英博物館に収められていたため、
画題が同じ、
ありませんが、この作品が描かれた背景も含めて、
同名にいたしました。
長くなってまいりましたので、続きは次のメルマガで、
《素戔嗚命の九頭龍退治》
★新情報★
・秋華洞スタッフブログ…
すみだ北斎美術館
https://www.aojc.co.jp/staff_
http://www.aojc.co.jp/staff_
・ぎゃらりい秋華洞 新着作品
https://www.syukado.jp/list/
・浮世絵サイト…新着情報
広重「名所江戸百景 駿河町」
https://jp.japanese-finearts.
国芳「通俗水滸伝豪傑百八人之一個 阮小五短命二郎」
https://jp.japanese-finearts.
三代豊国(国貞)「花鳥余情 吾妻源氏」
こちら春画です。お気をつけて↓↓
https://jp.japanese-finearts.
その他新着はこちら
http://jp.japanese-finearts.
————————————————————————————–
メルマガ担当:上村
株式会社秋華洞
http://aojc.co.jp
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
TEL 03-3569-3620 FAX 03-3569-3621
E-mail info@syukado.jp
営業時間
月~土 10:00~18:00
日曜・祝日 定休
*東京銀座ぎゃらりい秋華洞
https://www.syukado.jp
*SHUKADO CONTEMPORARY
https://shukado.com/
*Japanese Fine Arts.com
https://www.japanese-finearts.
*Facebook
https://www.facebook.com/
*Twitter
https://twitter.com/syukado