KOGEI Art Fair Kanazawa
2024年11月29日(金)〜12月1日(日)
本来「浮世絵」とはその当時の風俗を描いたもので、技法を指すものではありません。いわゆる版画の「錦絵」と区別するときに絹や和紙に絵師が直接筆で描いたものを「肉筆浮世絵」と呼びます。
ちなみに切手にもなっている菱川師宣の「見返り美人」は肉筆浮世絵。主な画題は遊里、芝居町の風俗や美人の立姿など多岐にわたります。
肉筆浮世絵は1点もののため値段を高く設定でき、版画の下絵を描く画工より、肉筆を描く本絵師のほうが社会的に地位が高かったと言われています。若いときに錦絵を制作し、名声を得たあと肉筆に転じる絵師もいました。北斎は浮世絵を中心に描いていたのは70代の4年間、晩年は肉筆に集中していました。また、懐月堂派のように同じような構図の作品を工房体制で量産をしたものもあります。