KOGEI Art Fair Kanazawa
2024年11月29日(金)〜12月1日(日)
鯰の力士が要石(かなめいし)ならぬ火難目石(かなめいし)を持ち上げている。これは俵などの曲持ちを見せる「力持ち」と呼ばれる大道芸人の見立てである。江戸時代後期に流行した近江の国大津発祥の俗曲「大津絵節(おおつえぶし)」をもじったもの。
人面魚のような金魚は当時人気の歌舞伎役者の顔。魚の体に描かれた模様や役者の家紋から贔屓の客はすぐ言い当てたであろう。題名の「見たて似たか」は「目高ァ~金魚ォ~」と金魚を売り歩く金魚売をもじっている。
病で床についている源頼光と囲碁を打つ四天王(渡辺綱、坂田公時、碓井貞光、卜部季武)。背景の暗闇には妖怪たちが東西に分かれ合戦している。
表向きは平安時代の武将、源頼光による土蜘蛛退治を描いたものであるが、実は天保改革の風刺画といわれる。妖術に苦しめられているのは頼光と見せかけて実は、将軍・徳川家慶。国家危急の時に惰眠をむさぼっているとの批判が込められている。