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アートフェア東京 2019では現代画家5人と物故作家を展示する。今日的な「美人画」は何をやろうとしているのか、どこに行こうとしているのか、今あなたの感覚で見定めていただきたい。
展覧会情報
展覧会アートフェア東京 2019【終了しました】
会期2019年3月7日(木)〜10日(日)
会場東京国際フォーラム ホールE(ブースNo. G-119)
時間詳細はアートフェア東京公式サイトをご覧ください。
備考
WEBサイト
秋華洞では10年前から「美人画」の現代的復活に焦点を当てて展覧会を開いてきた。
ひとつには松園、清方、深水、夢二、甲斐庄など多くの星を輩出した「美人画」の系譜へ光を当てなおすこと、もうひとつは現代日本画家である池永康晟が孤独に提唱し続けた「指派(ゆびのは)」、すなわち「人を描く」という素朴で根源的な彼とまだ観ぬ作家たちの衝動と運動に寄り添うことであった。
秋華洞が今回とりあげる5人の現代画家たちは、「日本画」という一応のプラットフォームと、女を描くという主題を共有しながら、まったく異なる世界観を示そうと現在進行系で格闘している者たちである。
「美人画」と言いながら「美人画」とは必ずしも言えない画家もいる。だがそれでいいのである。
かつての「美人画」の愚直な復活を目指す者もいてもそれはいいだろう。だが、今日的な意味で女たちを描くことの意味自体をそれぞれが問い続けること、それが、本当の「美人画」の復活であると考えている。女を描く現代の画家たちの中で、とくに今回は選りすぐった者を提示している。今日的な「美人画」は何をやろうとしているのか、どこに行こうとしているのか、今あなたの感覚で見定めていただきたい。
展示作家:池永康晟 岡本東子 中原亜梨沙 大竹彩奈 蒼野甘夏
池永 康晟(いけなが やすなり)
池永 康晟(いけなが やすなり)
1965年大分県生まれ。大分県立芸術短期大学付属緑丘高等学校卒業。自身で染め上げた麻布に岩絵具で描く美人画が、独特な質感と芳香を放つ。文房具や本の装丁など海外からのオファーも多い。2014年に刊行された画集「君想ふ百夜の幸福」はロングセラーを続けている。AKBとのコラボ、版画やぬりえ、カレンダーの発売の他に美人画集の監修を行うなど活躍の場を広げている。
岡本 東子(おかもと とうこ)
岡本 東子(おかもと とうこ)
京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科日本画専攻修士課程修了。
日本画家。対象の本質を正視し、特に女性の内面を撫でるように丹念に描き出す。その筆力は、目に見えない温度や湿度、空気までも画面に写しこみ、幽玄な世界を作り上げる。濃密で不思議な吸引力を持った作品は観者を捕らえて離さない。
日本画家。対象の本質を正視し、特に女性の内面を撫でるように丹念に描き出す。その筆力は、目に見えない温度や湿度、空気までも画面に写しこみ、幽玄な世界を作り上げる。濃密で不思議な吸引力を持った作品は観者を捕らえて離さない。
中原 亜梨沙(なかはら ありさ)
中原 亜梨沙(なかはら ありさ)
沖縄県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程日本画専攻修了。
日本画家。カラフルな装飾に彩られた女性像。その普遍的な愛らしさには、繊細さと大胆さが共存する。“スタートラインがどこであろうと生きようとする力さえあれば輝ける”。「今」とその先へと続く煌めきをテーマに精力的に制作を発表する。
日本画家。カラフルな装飾に彩られた女性像。その普遍的な愛らしさには、繊細さと大胆さが共存する。“スタートラインがどこであろうと生きようとする力さえあれば輝ける”。「今」とその先へと続く煌めきをテーマに精力的に制作を発表する。
大竹 彩奈(おおたけ あやな)
大竹彩奈(おおたけ あやな)
埼玉県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻 日本画研究領域修了。
日本画の特徴とされるものが線で何かを表すこととするならば、その「線」の美しさで現代では右に出るものはいないのではないか、と思わせるのが大竹彩奈が女性を描く線である。慎重にさりげなく選びとられた線が、日本女性の色香を余すところなく表現する。日本画という技法がこれほど女性像を描くのにふさわしいものであったのかを改めて気づかされる彼女の作品たちは、まだそのドラマを始めたばかりである。
日本画の特徴とされるものが線で何かを表すこととするならば、その「線」の美しさで現代では右に出るものはいないのではないか、と思わせるのが大竹彩奈が女性を描く線である。慎重にさりげなく選びとられた線が、日本女性の色香を余すところなく表現する。日本画という技法がこれほど女性像を描くのにふさわしいものであったのかを改めて気づかされる彼女の作品たちは、まだそのドラマを始めたばかりである。
蒼野 甘夏(あおの あまなつ)
蒼野甘夏(あおの あまなつ)
北海道の地において、ほぼ独学で日本画の古典技法を学んだ蒼野甘夏は、伸びやかで繊細な筆致で独自の幻想世界を描く。特定の師匠がいないが故にかえって伝統を自由自在に使いこなし、その絵画世界は眼に心地よい。妖精のように描かれる女性たちは、性別の矩さえも乗り越えて自由自在に空間を飛び回る。古事記などの伝説に材を採ることも試みる彼女は、「日本画」の今日的可能性を拡げるフロントランナーとして貴重な存在である。
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