近代美術/銀座 ~近代の美人画展~
2025年2月4日(火)〜8日(土)
A. 真贋査定は非常に経験を要する仕事であって、ひとくちにどの様な根拠で真贋がいえるのかを述べるのは困難ですが、一方で、真贋を巡る美術品取引の流通ルールがありますのでご紹介します。
作品そのものの他に、本物として流通するための要件となる点について紹介します。
近代美術品に関しては、共箱、共シール、サイン、落款、鑑定証のいずれか、あるいは複数の要素があれば「真筆」としての流通性が担保されることになります(共箱やサインなどの要件と絵が十分に真作らしさがあれば必ずしも流通時に鑑定証は必要ありませんが、やや判断が難しい場合、鑑定書は「通行手形」として必要になってきます)。
※当店展示品は、作品詳細に、共箱、共シール、鑑定証の添付のあるものについて明記しております。
江戸期以前の作品については、真贋について、流通上有効な鑑定証を発行する機関がありません。これは作品じたいの「見た目」一本の価値判定ということになります。お客様の「眼」とお客様が古美術商の信頼性を見分ける「眼」だけが頼りになる世界とも言えます。
共箱や鑑定証があったとしても、その「贋物」もありえますから、もっともらしい添付物があったとしても、共箱、鑑定証を見分ける眼がなければ、「絶対大丈夫」とは言えません。結局、信頼に足り、目の利く美術商を選ばれて、相談されることが売買には大事な要素になります。
私どもとしては、信頼のおける美術商としてご相談頂けるよう日々研鑽しております。