新型コロナウィルス禍を受けて、一躍人気者となったアマビエ。
日本では古くから吉祥を寿ぎ、縁起を担いだ様々な象徴が愛されてきました。そして、そのモチーフを芸術や文化の中に巧みに取り込んできた私達。
見れば心も晴れやかに、お部屋に飾れば家内安全、悪厄退散!?
日本美術に脈打つ、数ある吉祥の図称の内、特にお目出度く、更に「厄除け」や「疫病除」のご利益をもたらすと言われているモチーフを中心にご案内いたします。
令和2年5月中は
表記価格より10%割引にて販売いたします!
※画像か、作品詳細はこちら をクリックで、「作品紹介購入お問い合わせページ」に移動します。
※浮世絵、現代作家作品などは、【浮世絵ぎゃらりい秋華洞】【SHUKADO CONTEMPORARY】サイトに移動します。
唐獅子は幸運なことが起こる前兆、また魔除けや鎮護の象徴です。
また、「百獣の王」 獅子と「百花の王」牡丹の組み合わせは最もよく目にする吉祥の意匠の一つです。
本作は、兵庫県神戸市の月見山に、大正3年に完成した武庫離宮(現在の須磨離宮公園)に設置された襖絵の下図です。残念ながら、武庫離宮は現在は残っておらず、完成した襖絵を現在鑑賞することは叶いませんが、皇族の別荘を雄々しく、華やかに彩ったであろう風格を本作はしっかりと伝えています。
チュンチュンと鳴く声も愛らしい雀は「厄をついばむ」とされ、一族繁栄、家内安全の象徴。そして雀と切り離せない稲と実りのイメージを重ねて五穀豊穣を表しています。
常緑の色を失わず、すくすくとまっすぐ育つ竹の生命力と清廉さをあわせた、伝統的な吉祥画です。
特に武家政権時代に好んで描かれてきた龍虎図。
「龍吟ずれば雲起こり、虎嘯(うそぶ)けば風生ず」と、禅語の意味合いも込めて描かれることも多くあります。(「優れたライバル同士」というような意味合いでしょうか)
そして、広く民衆にも悪災除祓、怨敵調伏の象徴として崇められてきました。
想像上の生き物ながら動物の頂点とされた竜は、「登竜門」の逸話から、他者に秀でた才能を発揮するようとの願いが込められた立身出世や商売繁盛のシンボル。
また、勇ましい性質から邪気を払う魔除けの象徴とされる虎。中国の陰暦の5月は「毒月」とされ、端午の節句として菖蒲の葉を剣にヨモギの葉を虎に見立てて伝染病や流行病の害を抑え、一年の無事を祈ったそうです。
その威厳ある佇まいから「森の哲学者」「物知り博士」などとも呼ばれて親しまれるフクロウ。
苦労知らずの人生を祈願した「不苦労」や、幸せに年を重ねる「福老」といった、来福のイメージを当て字にするなど縁起がいい鳥として人気です。
志功はふくろうの姿を度々題材に選んでいます。
志功の生まれた青森県青森市の市の鳥はふくろう。それほど青森の山林を数多くのふくろうがねぐらとしていて、志功にとっては身近な鳥であり、また特別なも鳥であったのでしょう。
七福神の恵比寿天が釣っているのも、お正月のごちそうも、赤ちゃんのお食い初めにも登場する「鯛」は特別な魚の筆頭です。
「めでたい(鯛)」に通ずる音の晴れ晴れしさはもちろん。紅白の体の色から来る縁起の良さ、そして赤い色には邪気を払う効果を起縁しています。
宇田荻邨は三重県松阪市の生まれ。幼少期を伊勢湾のすぐ近くで過ごした荻邨にとって、海から上がったばかりの生き生きと見事な鯛の姿は印象的だったことでしょう。
『 魚づくし (うおづくし)』と題した 広重 の作品は4シリーズ40種が知られますが、一般には、天保初期刊行の永寿堂版と、天保後期刊行の山庄版の各10種を指します。いずれも、種々の魚介の絵に狂歌を添え、ときに植物の一枝を描き加えた構図が楽しめます。
山椒は、強い香りは邪気を払う魔除けとして、また沢山の実をつけることから子孫繁栄につながる縁起の良い木とされています。
皇后の御所や後宮を「椒房」「椒庭」と言いますが、その昔中国では邪気払いの効果を期待して皇后の居室の壁に山椒を練り込んでいたことに由来するとか。
【読み】
處女子か手玉もゆらにくり出す鯛の目よりもいとはひきけり 静垣濤女
芝うらに洗ふ赤めは名古の海のゆふ日のいろもあさむきにへし 手垣眞春
作品詳細はこちら
※【浮世絵ぎゃらりい秋華洞】につながります
山椒の実の他に茗荷が描かれています。茗荷の音が「冥加」に通じるとされ、神仏の加護や未来の祝福が得られるという縁起の良い食物。
茗荷紋が神社や寺などで用いられるのもここからきているのだとか。目出度いづくしのいち枚です。
【読み】
もちの夜にすなとる蜑が小鯛つる影と大きく見ゆる黒鯛 富垣内安
うつくしき小鯛に添し黒鯛は黒木にさしゝ桜とや見む 越後川袋 花王菴芳志
作品詳細はこちら
※【浮世絵ぎゃらりい秋華洞】につながります
5月は「鶉月」とも呼ばれます。
鶉は古くからその鳴き声を「ゴキッチョー (ご吉兆)」 と聴いて、吉報を告げる吉祥の鳥として知られます。その縁起の良さは戦国武将らにも愛され、出陣前の縁起担ぎに用いられたこともあるほどです。
宮本理三郎の鶉は、卵からそのまま脚が生えたかのように丸々とよく肥えています。
羽毛の一枚をも疎かにしない丹念な観察が、瞳の奥に灯る野性を活写します。その表現を支えるのは、木という素材に対する作家の深い理解でしょう。木そのものの硬さと柔らかさ、彫りだした表面の質感を把握しているからこそ、それに寄り添うように施された彩色が生き、あたたかみを持った生命として立ち上がるのです。
生涯を通して日陰に暮らす小さな生きものを愛した、宮本理三郎の眼差しが結晶した一作です。
降り注ぐ春の陽光を浴びるように、柔らかな金泥に包まれた五羽の鶉。
「小鳥の好きな父は、絶えず種々の鳥を飼っていた。竹籠の中には、駒鳥、目白、うそ、鶯をはじめ、梟、鷺、鶉、にぎやかなことだった」と娘が語っているように、大の鳥好きだった青邨は、それらを日々愛でつつ観察していたのでしょう。
薄墨で描かれた淡い輪郭線と、柔らかな色使いによって生まれる鶉そのものの温もり、手のひら程の小さな命に画家が注ぐ眼差しのあたたかさまで伝わってくる作品です。
邪気や悪病、結核を払うとされた青面金剛が庚申信仰の本尊として描かれています。
人体に棲む三尸の虫が、夜中に抜け出し宿主の行いを天帝に告げるという伝説から、夜通し眠らずに過ごす庚申待。この行事から、本作には青面金剛の周辺には太陽と月。「庚申」の「申」猿を表す二匹。時刻を知らせ、また申日の翌日である酉のニワトリといった定番の図像が描かれています。
古くからご利益を信じ親しまれてきた図称です。
大津絵とは、江戸時代初期頃から盛んとなった滋賀県大津市の名産の民俗絵画です。さまざまな画題のそれぞれに風刺や込められた意味があり、東海道を旅する旅人たちの土産物として、またもっぱら護符のような扱いで知られていました。
民芸の自由な絵の中に遊び心と、民衆の素朴な祈りの姿が見られます。
天神様といえば菅原道真。雷の神様として、また学問成就の神様として有名です。鎌倉時代になると、慈悲の神、正義の神、学術、芸能の神、鎮護の神、怨敵調伏の神といった多種のご利益を授ける神として信仰を集めることとなります。
白隠の天神の道服をよく見ると「南無天満大自在天神」という名号でできていることがわかります。
達磨は黄檗宗、達磨大師を起源としますが、今では諸病厄を除け、家内安全、商売繁盛を願う縁起物として定着しています。
丸い体の達磨の置物は、達磨大師が壁に向かって9年座禅し、そのうちに手足が壊死してしまったという伝説に由来しします。起き上り小法師のように倒れても起き上がる置物の仕様も、困難や苦労に挫けないという思いからだとか。
達磨に目を入れるという行いは、江戸時代に流行った疫病封じのおまじないとして始まったという説があります。
端午の節句に飾られることも多い鍾馗様。日本では疱瘡や疫病除け、学業成就に効があるとされています。
もともと鍾馗様は、中国「唐」の英才。官職の試験を主席で突破し、「状元」という称号を受けるのですが、髭面 で強面の人相が災いして、玄宗皇帝に嫌われて称号を取り消され、傷心の末に自殺してしまいます。
その後、玄宗皇帝はマラリアにかかり、高熱の中の見た夢で、子鬼たちを退治する大鬼の姿が。この大鬼が鍾馗さまだったのです。
玄宗皇帝は、自分の命を救ってくれた錘馗さまを今後は神として祀ることになったのです。
作品詳細はこちら
※【浮世絵ぎゃらりい秋華洞】につながります
鍾馗の上気した肌は、酒精によるものでしょうか。猩猩のように顔を赤くして酔に身を任せる鍾馗に呆れ、これ以上飲まれては困るとばかりに酒瓶を取り上げる懸命な鬼の姿。我関せずと盃を差し出す美女もなんとも豪胆で、一層の可笑しみを誘う作品。
昭和のキャバレー王・福富太郎氏の旧蔵に相応しい、暁斎らしい機知に富んだ画題と自在な描きぶりが味わえる酒宴の一幕です。
作品詳細は下記のお電話、メールにてお問い合わせ下さい。
作品詳細はこちら
※【浮世絵ぎゃらりい秋華洞】につながります
鍾馗様の登場するこの浮世絵。
大蛸のまわりで百万遍念仏を唱える人びと(?)。
実はこれは風刺画。
元治元年(1864)に描かれた本作は、タコの5本の足をアメリカなど通商条約を迫る諸外国に見立てたものなのです。
鍾馗様は水戸徳川家、鯱は尾張徳川家などをあらわしています。
作品詳細はこちら
※【浮世絵ぎゃらりい秋華洞】につながります
鶴を従えた特徴的な長い頭の持ち主は、福禄寿。幸福の「福」と好運、財福の「禄」、寿命の「寿」三徳を備えた七福神の一人としても人気ですね。
服部さんの描く福の神は飄然として、老人の姿ながらどこか若々しく、幸せの風を呼び込むような清しさを帯びています。
SHUKADO CONTEMPORARY 作家
服部しほり作品はこちらでもご覧いただけます
下記のお電話、メールにてお問い合わせ下さい。
★2020/5/1(金) 12:00~2020/5/18(月)
SHUKADO CONTEMPORARYにて
【Online展覧会】
「自由闊達な日本の絵師 -服部しほりと浮世絵-」開催
https://shukado.com/exhibition/web-exhibition-02/
https://shukado.com/sales/web-exhibition-02/
合わせてご覧くださいませ!
古典的な図称を愛らしいモチーフに変換して新たな日本画として再構築する鈴木作品。三つ首の地獄の番犬ケルベロスも愛らしい犬張子に!
安産で子育て上手で情の深い犬は子供の守り神。疫病退散や無病息災、魔除けなど子供の健やかな健康のために頑張ります。
SHUKADO CONTEMPORARY 作家
鈴木博雄作品はこちらでもご覧いただけます
下記のお電話、メールにてお問い合わせ下さい。
仏像の神話性を文献から読み解き、現代のテクスチャーを使い新しい解釈で立体化する作品を展開する上根作品。
「本作大黒天の起源をたどっていくと、ヒンドゥー教のシバ神へと行き着く。それは破壊と戦闘を司る者である。
サンスクリット語においてはMahakala(マハーカーラ)と呼ばれ、マハー(偉大なる)カーラ(時もしくは暗黒)と訳される。つまり大黒天とは偉大なる時空を司るものという意味となる。
大黒天のシリーズはその『時・暗黒』というファクターをカメラのレンズ等の光学パーツを取り入れ再構成されたものである。」(上根拓馬)
同シリーズ他作品もございます。
SHUKADO CONTEMPORARY 作家
上根拓馬作品はこちらでもご覧いただけます
下記のお電話、メールにてお問い合わせ下さい
当ページ掲載作品はすべてご購入いただけます。
お電話、メールにてお問い合わせ下さい。
電話:03-3569-3620
Email:(info@syukado.jp)