作品解説
大正13年1月の裕仁親王(後の昭和天皇)と九邇宮良子女王のご成婚に奉賀して描かれたと思われる本作。睦ましく寄り添う紙雛に、輝かしい前途を寿ぐ和歌が添えられています。国民的祝賀に湧いた当時、数多くの芸術家が祝辞に代えて、その作品を捧げています。
【読み】
東宮殿下御成婚の日
つきのみこほしのひめみこ
えみかはし
たゝすみくに
に
みつひかり
はも
八郎
山村 耕花(やまむら こうか)
やまむら・こうか 明治19(1886)東京~昭和17 (1942)東京 日本画家。尾形月耕に師事。東京美術学校(現:東京芸術大学)卒業。日本美術院同人となり院展を中心に活躍。版画も制作し、役者似顔絵は特に優れる。演劇の舞台装置も手がける一方、浮世絵や人形・蒔絵・陶器など美術工芸品の蒐集家としても知られた。