作品解説
昭和23年3月、七代目大谷友右衛門の襲名を記念して、その際に演じられた『戻駕色相肩』の禿「たより」を描いた一幅。後に四代目雀右衛門を襲名し、晩年まで瑞々しく艶やかな芸格と容姿を誇った名女形の、どこか初々しく眩しい晴れの舞台です。
【読み】
為七世大谷友右衛門丈 昭和廿三年三月清言筆(印)
5代目 鳥居清忠(とりい きよただ)
明治33(1900)~昭和51(1976) 日本画家、看板絵師、舞台美術家。鳥居派8代目宗家。本名、斎藤信。前名に清言、言人。小堀靹音に大和絵を、鏑木清方に美人画を学ぶ。鳥居派の専業である歌舞伎絵を制作する一方、言人の名で美人版画や、挿絵を数多く手掛けた。舞台美術、時代考証の分野でも活躍する。日展入選。