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作品解説
団扇、青梅、水鶏(くいな)はいずれも夏の季語。水鶏ことヒクイナは、その鳴き声が戸を叩くような音であることから、「水鶏叩く」の語で多くの歌に詠まれてきました。それならば本作の賛は、客人が帰った夏の夕方に、水鶏の声だけが響く静かな時間を詠ったものでしょうか。抱一父子と五竹庵との接点は明らかではありませんが、抱一は宝井其角にも私淑していたため、俳諧からのつながり、特に蕉門の俳人たちとの交流が考えられます。水を存分に含んだ流麗な筆致が目に涼しい一幅です。
酒井 抱一(さかい ほういつ)
さかい・ほういつ 宝暦11(1761)江戸~文政11(1828) 絵師、俳人。姫路城主酒井忠迎の次男。本名忠因。別号に屠牛、狗禅など。若い時より能や茶、俳諧を嗜み、絵は狩野派、南蘋派、円山派などを広く研究。のち尾形光琳に私淑し、俳味溢れる洒脱な画風の江戸琳派を拓いた。
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秋華洞
Vol.76
2024「夏号」
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