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「蓼鶏」
作品解説
羽毛の細かなところまで細密に描写が施され、岩や花卉の陰影表現など西洋的な写生法が色濃く見られる。その一方で色彩や形態の工夫によって装飾性も備わり画家の技術の高さがうかがい知れよう。鶏の後ろを岩、背丈のある植物の順で置く樹石図の構成は、この作品が中国絵画の伝統の上に位置していることを明確に示す。西洋画の技法と中国画の伝統との両側面を併せ持つ作品が実学を中心に新たな文化を形成しつつあった江戸において人気を博していたことを示す好例である。
宋 紫石(そう しせき )
正徳(1715)江戸~天明6(1786) 絵師。字は君赫または霞亭。号は、雪渓・雪湖・宋岳など。長崎に赴き、熊代熊斐に就いて沈南蘋の画法を修め、ついで来日した清の画家宋紫岩にも入門した。この師の名から宋紫石と名乗った。江戸に戻り、南蘋画風の普及に努めた。杉田玄白や平賀源内らと交友し、西洋画にも興味を示した。
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