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「松下美人図」
作品解説
生い茂る松の下に立つ女人は、粟柄の打掛を被っています。「粟」に「松原」といえば、近江八景の一つであり、『平家物語』にて非業の死を遂げる木曽義仲最期の地、「粟津晴嵐」が思い出されます。女人の髪は短く見え、尼の姿を思わせます。とすれば、本作は義仲亡き後、落ち延びて出家し、かの地で義仲の菩提を弔ったという巴御前の姿ではないでしょうか。
荒井 寛方(あらい かんぽう)
明治11(1878)栃木~昭和20(1945)福島 日本画家。荒井素雲の長男。本名寛十郎。水野年方に歴史画を学ぶ。明治35年國華社に入社し仏画模写の仕事に従事。その後インドに渡り、アジャンターの壁画などを模写。帰国後は仏教に画題を得た作品を中心に院展に出品。法隆寺金堂の壁画模写が未完のまま没した。
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