作品解説
幼少より臨済宗に学んだ仙厓は、寛政1年(1789)に博多の名刹として知られる聖福寺の住持に就いた。本作では、厨房や住居空間として使用される庫裡の戸や、玄関と庫裡の間にある内玄関の扉について、夜中に出入りする際には開けた戸を閉めるよう述べられている。度重なる戦乱により荒廃していた寺院の再興に努め、庶民にも敬慕された仙崖。僧侶の規律を正す文書からは、真摯に修行を積んだ聖僧の姿が垣間見える。
【読み】
庫裡之前門之くゞり
戸并内玄関之くゝり戸
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仙厓 義梵(せんがい ぎぼん)
寛延3(1750)~天保8(1837) 禅僧、絵師。禅味溢れる絵画で知られる。月船禅彗に師事。博多の聖福寺の住持を20年務め、洒脱で飄逸な絵画(禅画)を多く遺す。仙厓はその奔放な生き方をもって知られており、狂歌も多く詠んだ。