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「和平門入場」
作品解説
昭和15年、宮本が陸軍省の依頼で中国戦線に従軍した際のスケッチを基にした作品と思われます。夕焼けの下、南京城和平門を進む日本軍。リアリズム的に描かれた他の戦争画とは一線を画すおだやかな筆触と色彩の描写は、戦後の宮本の活動を先取りするようでもあり、単なる戦争記録に終始しない画家の本懐が垣間見えます。
宮本 三郎(みやもと さぶろう)
みやもと・さぶろう 明治38(1905)石川~昭和49(1974)東京 洋画家。川端画学校で学び、藤島武二に師事する。第14回二科展に《白き壺の花》で初入選。戦時は小磯良平らと共に従軍画家として活動した。昭和22年に「二紀会」を設立。雑誌・新聞連載小説の挿絵画家としても活躍した。戦後は30年代から円熟期を迎え、華やかな色彩をもつ瑞々しい女性像を多く描いた。日本芸術院会員。金沢美術工芸大学名誉教授。
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