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作品解説
28歳時の渡米をきっかけに、洋画から日本画に転向した異色の画家、川端龍子。ゴッホに憧れながらも「日本人として描く画」にこだわった龍子は従来の日本画にない表現を模索した。本作では独特の混色や階調表現で花弁の透けるような薄さ、色の重なり合いを描く一方、花壺の潔い筆致を始め、大胆な配色と形態が見る目を驚かす。写実的でありながら図様的な美しさによって見る目を引き付けるのは龍子が目指した「会場芸術」の極地の一つであり、繊細優美と自由闊達を両立した龍子ならではの画であろう。
川端 龍子(かわばた りゅうし)
かわばた・りゅうし 明治18(1885)和歌山~昭和41(1966)東京 日本画家。はじめ院展で活動するも、異端扱いされて脱退し「青龍社」を創立する。以後「会場芸術」主義を唱えて大作を次々と発表、一方で多くの画人も育てた。強烈な個性で日本画壇に大きな潮流を作り、流動感溢れる豪放な作品を多く遺した。
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