□■□■ 「日本美術そうだったのか通信」 Vol.101
発行 株式会社 秋華洞
http://www.syukado.jp/
おんらいんぎゃらりい秋華洞
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<本マガジンの説明>
日本美術の鑑賞界のホットニュース、古今国内東西の作家のエピソード、
美術業界裏話など、日本美術をより楽しむための情報をお届けします。
秋華洞提供。
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もくじ
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・「そうだったのか」について
・今週の一枚
・新入荷作品
・スタッフ募集
・おまけコラム
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こんにちは!
田中千秋です。
また、メルマガが開いてしまいましたが、嬉しい悲鳴の1ヶ月ではございまし
た。
秋華洞カタログ 2006秋号(VOL.6)への多数のご注文、お問い合わせをいただ
きまして誠に有り難うございました。
この秋からスタッフを新体制で運営している関係もあって息つく暇もない日
々でした。
まだご請求されていない方はこちらからどうぞ!よい作品がまだ残っていま
す。
美術カタログ誌「秋華洞」2006秋号 VOL.6のご案内
https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi
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「そうだったのか通信」と題して始めたこのメールマガジン、お陰様でもう
二年を超えて今号で101号となりました。
日本美術の「商売」に身を寄せて3年、毎日が「そうだったのか」の連続で、
口をあんぐり開けて次から次へと流れはいる情報に口を閉じる暇もないまま、
日々が流れ去っていく、というのが実感で、その面白さの10分の一も伝え
切れていないのがもどかしいところです。
そうだったのか、というテーマがらみで、あたらしく始めたことについて。
前にもご紹介したかと思いますが、浮世絵の販売もこれから始める予定で、
すでに在庫は数十点集まっております。
たとえば有名な歌麿の木版の博物書「虫えらみ」も入手しました。カタログで
ご紹介するか、ネットでご紹介するか、ちょっと検討中ですが、すごくワクワ
クする本です。歌麿、というと美人画、春画、というのがステロタイプ的なと
らえ方で、それはそれで間違ってはいないのですが、植物、昆虫をひたすら丹
念に描く、という仕事をしているのは私にとっては、とっても「そうだったの
か」、であります。
浮世絵の世界もこれが難しいもので、たとえば広重の「東海道五十三次」は、
図によっても違いますが、初摺りの色味のいいものなら数百万することもあ
る(一枚で!)一方、後摺りのものは、もっとずっと安い値段(数万から数
十万)で売られています。(ちなみに数千円で売られているのは近現代に作
られた木版を含む複製品です。)この擦りの「違い」は明白といえば明白です
が、誰にでも簡単にわかる違いかといえばそうでもない。
まさにこれも日々そうだったのか、という生々しい事ばかりで、みなさんに
わかりやすくご説明する、というよりもまず自分が咀嚼しなければならない
ことばかりではあります。
さて、ちょっと脱線かもしれませんが、会社を経営する、ということそれ自体
が、「そうだったのか」の連続ではあります。
最近は査定、納品共に出張もございます・・今回は、関西、大分、四国などに
お邪魔しました。作品を携えエッチラオッチラ、飛行機・鉄道・クルマを使っ
ての旅もなかなか・・大変だったりする時もありますが、モノの運び方ひとつ
とっても試行錯誤。
そのほか、スタッフとのコミュニケーション、銀行さんとのつきあいやら、同
業者や近い業種とのチカラカンケイ、作家さんとの関係、お客様との出会いの
なかで感じる様々な人営み。
ヨノナカの仕組み、人の心、会社をやってみなければわからなかったことだ
らけで、そういう意味での「そうだったのか」も多いのです。このメルマガ
では、なるべく日本美術、のテーマに絞りますけれども。
ただ思うことは、生きることの楽しさ・悦びは、もしかしたら「そうだったの
か」の質と回数によるのかも知れない。こんなに、おいしかったのか、こんな
仕組みになっていたのか、こんな感情になるのか、こんな感触がするのか、こ
んなに美しかったのか。
あなたは、あなたの「そうだったのか」を、どんなときに感じてますか。そし
て、感じるために、何をやろうとしていますか?
■■■ 斉藤真一展のお知らせ
場所:ぎゃらりい秋華洞
瞽女(視力を失った女性がなる旅芸人)の研究とその表現で独自な世界を開
いた斉藤真一の展覧会を、そっと弊社画廊で開催中です。期間は10月30
日まで。カタログ発行時期が重なったこともあって、いったんとりやめたの
ですが、よい作品が集まったので、「そうっと」やっております。真一ファ
ンの方は「内緒で」(?)いらして下さい。
弊社案内図
http://www.syukado.jp/jp/support/guide/guide.html
[ごめんなさい]
実のところ、現在在庫整理も併行している関係で、やや画廊も散らかっており
ますが、よろしければどうぞ。来月には作業場所を別途借りる予定であります
ので、今後はこういう状態にはなりません!
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■■■今週の一枚
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荒井寛方(あらい・かんぽう)『管籟の音(かんらいのね)』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/ARAI_KANPO/A06-1292.html
アライカンカタ。私どもはこのように呼んでいるのです。水野年方(みずの
としかた)の弟子でもあることですし。しかし多くの辞典で「かんぽう」と
ある上、栃木県さくら市の荒井寛方記念館でも「かんぽう」と読むことになっ
ているようですので、ここでも、かんぽう、としておきます。
寛方は、國華社に入社して仏画の模写に携わり、その後インドでアジャンター
遺跡の壁画模写に挑んだといいます。その殆ど肉体化した仏教絵画の素養が作
品に反映しているのでしょう、迫力と品性を備えた仏画を数多く残しています。
「仏画」というとお香の臭いの立ちこめた「仏間」にうやうやしくかかってい
るイメージがありますが、寛方のそれは、モダンさと荘厳さを兼ね備え、美術
作品として、強い力を放っています。
さて、本作、『管籟の音』。
籟というのは「風が物にあたって発する音」あるいは「笛」という意味です。
素直に読めば管楽器の音、ということになりますから、画面の少女がつま弾い
ている竪琴のような楽器とは若干意味がずれますね。
むしろ一本の笹竹のもとで少女の奏でる響きとその作用そのものが、心を慈し
み慰める、美しい風の響きのように思えるさまを題したのでしょうか。
この少女の目元には、あきらかに仏画の影響が見られるように思います。鏑木
清方、池田輝方らと並んで水野年方門下の四天王と呼ばれたことからも、美人
画を描いてもおかしくない流れの人ですが、この作品からは、年方門下ならで
はの繊細な手つきが伺える一方で、慈悲のまなざしを浮かべる少女の微笑は仏
そのものといってもよい印象を持ちます。
・・ところで、この少女の礼装がいかなる国のどの時代のものであるか、手に
する竪琴らしき楽器が何と呼ばれるものなのか、今のところ調べがつきません
でした。ご存じの方がいらしたらご教示下さいませ。
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荒井寛方『管籟の音』
絹本着色軸装
本紙128.0×41.8cm 総丈210×56.0 cm
落款・印・共箱・二重箱
作品番号 A06-1292
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/ARAI_KANPO/A06-1292.html
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☆作品は弊社画廊で御覧になれます。作品はそのもの一点限りですので、購入
をご希望される方はお早めにご連絡下さい。
<弊社開廊時間>
日祝をのぞく 10:00-18:00
TEL 03-3569-3620 or 03-3569-3990
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
弊社案内図
http://www.syukado.jp/jp/support/guide/guide.html
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その他の新入荷作品
荒井寛方『文殊』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/ARAI_KANPO/A06-1333.html
田崎草雲『谿山重翠』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/kake/A06-1300.html
須田剋太『静物』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/yo/A06-1183.html
石井林響『観桜』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/kake/A06-1298.html
斉藤真一『紅い陽の道』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/yo/A06-1192.html
田中以知庵『早春』
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/jpn/A06-1243.html
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■■■スタッフ募集
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http://www.aojc.co.jp/corp/recruit.html
日本美術に興味のある方、仕事に知性と野性とヤリガイを求める方、オンライ
ンショップを経験してみたい方、秋華洞で働いてみませんか。
末永く一緒にやれる人を募集しています。
求める職種
・コアスタッフ
・ウェブ担当
・経理担当
・土曜スタッフ
小さな会社ですので、自分の職分を守ること以外に、守備範囲を拡げて様々な
ことに挑戦して下さい。野性味のある、愛嬌を忘れない知性人である貴方にむ
いている職場です。
詳しくはこちら↓
http://www.aojc.co.jp/corp/recruit.html
☆おまけコラム☆
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・「美術品の買い方ガイド」、連載の途中で尻切れになっていますが、忘れて
おりません。再開しますよ!美術品というものはドコでドノヨウに、買ったら
よいのか、とってもわかりにくいですよね。毎日毎日美術のことばかりやって
いる私が力たらずながらチョッピリアドバイス致します。ちょっとお待ちを。。。
・それにしても思うのはオンラインでは絵のタッチ(質感、マチエール、絵肌
とかともいいますね)は伝わらない、ということです。写真のほうがよく見え
る場合もありますが、たいていは本物の存在感には、画像はかないません。だっ
てそれが肉筆画のいいところですものね。
ただ、会わなければわからない遠くのあの人に、今日は電話やメールで済ま
せるように、コミュニケーションの手段としてはネットや郵送であなたに今日
も美の断片なりともお伝えするわけです。いつか本物と、出会って頂ける日が
来るように。。
・先日、若手の日本画家の方と呑みに行きました。そのときに話題に出たこと
二つ。
(1)横浜美術館の「日本x画展」は子供を連れて来て下さい、という企画だっ
たが、本当に子供を連れて行くべき内容だったのか。いや日本画というとらえ
方の幅を拡げよう、という企画の意図はわかるし頑張っていると思うのですが、
子供に見せる、という企画としてふさわしいとはいえないのじゃないか。と、
その画家さんはおっしゃっていました(と逃げをうっておく)。
(2)絵の感動、というのはなにも特別のモノではない。オリンピックのマラ
ソンランナーがゴールテープを切る瞬間、「ニンゲンは頑張ればこんなことも
出来るんだ!」と思える感動。それと同じじゃないか。
命を賭けて人が何かをやり抜いた瞬間に立ち会う感動。その画家さんは「命が
けの絵を一度でいいから描いてみろ!」と画廊主さんに言われたそうです。私
はその「命がけ」を菱田春草の『落葉』に感じます。
・今は日曜深夜、東京は雨あしが強くなってきました。私は風邪がなかなか抜
けません。秋も深まって参ります。みなさんは暖かくして夜はお休み下さい。
風邪などめされぬよう。
●●「書画・絵画鑑定マニュアル」
毎月先着50名様に無料配布中!
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美術品無料査定・買取致します。
秋華洞 高価買取はこちらです。
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★★「おんらいんぎゃらりい秋華洞」美しい展示が好評です!
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☆★「秋華洞・丁稚ログ」丁稚兼社長・新米美術商の赤裸々な日々
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☆☆「秋華洞・スタッフログ」ほぼ毎日更新中!
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東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
代表取締役 田中自知郎・田中千秋
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秋華洞のご案内
主に日本の美術品・古美術品を中心に、幅広く取り扱っております。
近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。
弊社は平成15年に設立、平成16年に開店致しましたが、50年近く美術業界
で活躍した代表・田中自知郎が長男・田中千秋と共に新たに設立致しました。
(代表プロフィールは↓)
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