2006-12-22日本美術そうだったのか通信
Vol.105 冬カタログ完成!

□■□■  『日本美術そうだったのか通信』 Vol.105
発行 株式会社 秋華洞
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おんらいんぎゃらりい秋華洞
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美術業界裏話など、日本美術をより楽しむための情報をお届けします。
秋華洞提供。
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もくじ
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・ごあいさつ
・カタログ冬号、ついに完成!
・「須田剋太展」好評開催中
・特集:荒井寛方〔後編〕
・年末年始休暇のご案内
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いつも「そうだったのか通信」をご覧いただいている皆様、こんにちは。
また、初めてお目にかかる方、はじめまして。秋華洞の芹澤直子です。

今年もいよいよ押し迫ってまいりました。大掃除に年賀状準備、忘年
会ご出席、年末年始の帰省やご旅行の手配等々……。慌しい毎日を
お過ごしの方も多いことと思います。

この冬は、ノロウィルスが過去最多の感染数を記録するなど、猛威を
振るっています。流行のピークは、例年12月中旬〜下旬だそうですが、
感染予防には手洗いの施行が効果的とのこと。外出から帰った後は、
ぜひ石けんでの手洗いを充分に、来る2007年を、ぜひ元気に健康に
迎えましょう!

それでは、おそらく年内最後となるかもしれないメルマガ『日本美術そうだっ
たのか通信』、どうぞよろしくお願いいたします。

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■□■カタログ『秋華洞 Vol.7 2006冬号』完成いたしました■□■
https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi

やっと!やっと、出来ました。今回は特に難産でした。

・・大変長らくお待たせいたしました。7号目となりますカタログ誌『秋華
洞』、ついに完成いたしました。既にご請求いただいた方への発送作業は、
12月14日より始まっております。国内でご予約いただいたほとんどの方には
お手元に届いているのではないでしょうか。

今号の出来はいかがでしょうか。

前号のメルマガでもお伝えしましたが、このカタログの見どころを再度
おさらいいたしますと…

■過去最多・120点以上を収載
■浮世絵、版画等の新ジャンル作品掲載
→豊国、芳年、国芳、広重、英泉、歌麿などの浮世絵版画
→小林清親、川瀬巴水、吉田博、伊東深水などの近代版画

そして!

アートソムリエとして名高い山本冬彦様のインタビュー(巻頭特集)を
はじめ、作品解説等、読み物ページもさらに充実させました。

お申し込みがまだの方、こちらのご請求フォームにて、どうぞお気軽に。
追加のご用命も、ご遠慮なくお申しつけくださいませ。

美術カタログ誌『秋華洞 Vol.7 2006冬号』のお申し込みは…
https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi

(ご請求は、お電話、ファックス、メールでも承ります。
メールマガジン下部に記載しております連絡先をご参照ください)

※なお、過去(Vol.1〜Vol.6)ご請求いただいた方には今号も自動的に
お送りしますので、再度のお申し込みは不要です。請求部数の変更
等、必要に応じてこのフォームをお使いくださいませ。

※※感想も是非いただきたいと思っております。このメールへの返信、ある
いは「お問い合わせフォーム」、あるいはカタログ添付のハガキ、FAX連
絡用紙などで。。
「秋華洞お問い合わせフォーム」
https://www.syukado.jp/jp/support/contact/index.cgi

前回のカタログでは、「レイアウトがイマイチだねえ」「解説は多すぎるん
じゃないの」など辛口の意見を頂きました。なかなか批判をいただく機会は
少ないのでとてもよい勉強になります。また、反対に「ワア素敵」など、プ
ラスの反応も勿論励みになりますので、乞うご感想。

※※※カタログご請求後のご注文はお早めに
ご注文は同じ作品に偏る傾向がありますが、今回は比較的幅広い銘柄にご注
文を頂いております。とはいえ、いち早くご注文いただいた方に優先でお譲
りしておりますので、なるべく早いご決断を。勿論弊社画廊またはご自宅等
にて、直接ご覧に頂くことも出来ますし、遠方の場合はより詳しい写真など
もお送りできます。
この点について、私どものスタッフ、本田晶子が面白いことを書いておりま
すので、ご参考に。。。
秋華洞・スタッフログ・2006年12月20日「スタートダッシュとタッチの差」
http://blog.livedoor.jp/syukado_staff/archives/50966718.html

■□■生誕100年記念・「須田剋太展」好評開催中■□■
http://www.syukado.jp/jp/gallery/

現在当廊では、須田剋太の生誕100年を記念し、作品展を実施中です。

お陰様で連日盛況・ご好評いただいております。来年の1月20日(土)まで、
日曜・祝日を除く毎日開催しておりますので、お仕事やショッピングのお帰
りなど、皆様お誘い合わせの上、ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。

銀座六丁目・外堀通り(旧電通通り)の当廊「ぎゃらりい秋華洞」で、午前
10時から19時まで開催中です。エネルギッシュな作風が特徴的で、司馬
遼太郎「街道をゆく」の挿絵画家としても知られる須田剋太の作品。ぜひご
鑑賞のほど。

※ただし、12月29日〜1月4日までは、年末年始休暇のため休廊とさせて
いただきます。ご了承くださいませ。

生誕100周年記念 須田剋太展
http://www.syukado.jp/jp/gallery/2006kokuta_ten.html
同展 チラシ(PDF)
http://www.syukado.jp/jp/gallery/kokutatirashi.pdf

■□■特集:荒井寛方〔後編〕■□■

『日本美術そうだったのか通信』作家特集。前号に続いて今号も、荒井
寛方先生についてお話ししてまいりたいと思います。

参考)おんらいんぎゃらりい秋華洞「荒井寛方」作品一覧
http://www.syukado.jp/jp/search/item/artist/jp_b/ARAI_KANPO.html

ここに現在は展示されている(売れてしまうと展示を止める場合有り)『管
籟の音』など、とても素晴らしい出来栄えです。少女の聖性が、仏のような
存在に重ねられている。村上華岳の世界にも繋がる寛方世界の、舞台裏の後
半、始まり、はじまりー。。。

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※前号のあらすじ

「仏画」の描写で知られる寛方。その父である荒井素雲(本名:藤吉)は、
幟(のぼり)等に紋所・紋章を描く「上絵師」を生業としながら、いつかは
南画家として世に立ちたい、という夢を持ち続けていました。

故郷を離れ、南画の第一人者・滝和亭の下で修行に励むも、なかなか
独立の目途が経たず、やがて眼病に侵されてしまう素雲。師の忠告を
受け、志半ばで郷里に帰らざるを得なくなった父。その夢を受け継いだ
のが、後の寛方こと荒井寛十郎でした。彼は、水野年方を師に、画家の
道を目指します。

荒井寛方、時に21歳のことでした。

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※ここからが今回のお話しです

明治35年、25歳になった寛方は、岡倉天心らが創設した「國華社」に
入社します。今なお続く学術美術雑誌『國華』の会社です。しかし、
社員として入社するも生活の安定には繋がらず、貧しさが故に住まい
まで変えざるを得ない有り様…。そんな試練を経験しながらも、絵画の
知識を得るにはとても恵まれた同社で寛方は約10年を過ごし、着実に
その力を蓄えていくのです。

寛方は、第2回文展に出品した武者絵『出陣』で入賞して以来、数々の
実績を手にしていきます。『車争い』や『竹林の聴法』、大正3年に院展に
出品された『暮れゆく秋』等で、その手腕を高く評価された寛方。力量が
衆目に認められるきっかけになったのは、翌年院展に出品された『乳麋
(にゅうび)供養』でした。古い世界を新しい目で捉えながら、聖なるもの
への愛や信など不変のものを表現したこの作品が、より高い評価と多くの
注目を寛方にもたらしました。

大正5年、ある人物が日本に訪れます。

世界的な詩人で思想家、ノーベル文学賞の受賞者のタゴール翁でした。

イギリス支配下で消沈する自国(インド)の民を、奮い立たせたいと願う
翁は、自らが経営する学園の絵画教育に日本画の構図や描写法を採り
入れることで新風を吹き込ませようと考えます。そこで白羽の矢が立てた
のが寛方でした。画壇での評価とその人柄が見込まれた寛方は、その後
2年間の滞在契約でインドへと旅立ちました。

大正7年、大役を終えた寛方が帰国の途に就く時、タゴール翁はその手を
固く握りながら、「荒井さんは初め私の家に入った。帰る時には私の心に
入った」との詩を渡し、その別れを惜しんだと言います。

寛方もまた、インドでの生活を通じて自らの美の世界を大きく広げました。
数々の仏画や仏像、仏典に関する知識を仏教発祥の地の風土の中で
身につけていった寛方。彼は仏画に、武者絵や風俗画では感じることも
表現することも出来なかった美と生命力を感じ、惹かれていきます。

仏教美術に開眼した寛方は『仏誕』や『光輪』、『楽土』など、彼の地の
影響を受けた作品を次々と発表する一方、世界中を旅して創作活動の
糧を得ていきました。

***

月日は流れ、時代は大正から昭和へ。日光東照宮社務所の障壁画や
新聞の挿絵、東京の目黒雅叙縁の天井画等、寛方も活躍の場を拡げて
いきます。

昭和9年に法隆寺国宝保存協議会が発足すると、万一に備え金堂の
壁画の模写を残す事業が必要として、その一員に寛方が加えられます。
寛方が「法隆寺金堂壁画模写」に取り掛かったのは昭和16年でしたが、
年を同じく第二次世界大戦が勃発し、日本の敗色と共に、模写事業も
難航を極めるようになります。

そして昭和20年。栃木県氏家町の疎開先から奈良法隆寺に向かって
いた寛方は、乗り換え地である郡山市の惨状を目の当たりにし、悲歎に
くれます。戦勝を疑わなかった寛方にとって、それはあまりにショックな
光景だったのでしょう。その移動の車内で脳出血に倒れた寛方は、
最後の偉業を全うすることなく、67年の生涯を終えました。

壁画模写事業は終戦後の昭和22年に再開され、寛方の遺志は前田
青邨らによって受け継がれました。親友で画友の中村岳陵が碑銘を
記した墓に護られて氏家の地に眠る寛方は、日本美術史上に残る仏
画家として、今なおその功績が語り継がれています。(文中、敬称略)

参考)おんらいんぎゃらりい秋華洞「荒井寛方」作品一覧
http://www.syukado.jp/jp/search/item/artist/jp_b/ARAI_KANPO.html

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■□■年末年始休暇のお知らせ■□■

誠に勝手ながら、12月29日〜1月4日は年末年始休暇のため休廊とさせて
いただきます。

なお、メール、ファックスは常時受け付けておりますが、詳しいご返信は原
則として1月5日以降に差し上げることになります。何卒ご了承くださいませ。

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それでは、最後までお読みいただき有り難うございます。

次号もどうぞよろしくお願いします!

また、この1年、大変お世話になりましたこと、スタッフ一同心よりお礼
申し上げます。来年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

どうぞ皆様、よいお年をお迎えくださいませ。

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近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
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田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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