□■□■ 『日本美術そうだったのか通信』Vol.126これが絶品!カタログ9
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もくじ
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・ご挨拶
・これが絶品!カタログ9
・古美術の名脇役 <眞田紐>
・ネットで愉しむ秋華洞 <新着作品>
・お知らせ
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■□■ご挨拶□■□
「カタログ納品にあがりました!」
という声を聞いたのは、つい最近だったはず・・・。
ですが、すでに次号カタログ10号完成間近に入っております。
土曜スタッフも含め総動員で「秋華洞カタログ盛夏号」
もうすぐです。
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■□■これが絶品! カタログ9■□■
「福井江亭って一体だれかしら?」
「聞いたことないけど、素敵な作品ね。」
と今回のカタログを見て、つぶやいた方も多いのではないでしょうか?
福井江亭という画家は、はっきり言って、今では全く知られておりません。
それどころか、資料さえもほとんどありません。
・・・・が、この人は川端玉章の門下生であり、明治41年には玉章とともに
東京美術学校の四条派コースの教授に迎えられたすごい人なんです。若くし
て内国勧業博で褒賞を受けたり、作品が皇后宮御用になったり、師匠と同じ
立場で美術学校の教授になったりと、同時相当な存在であったことは確かで
す。
ここに描かれている「赤壁賦」は、中国すなわち漢画の画題です。江戸以
前は、歴史人物画といえば中国の人物、物語や詩の絵画化が当たり前でした。
日本の歴史や人物というのは、和歌の歌仙や源氏物語や一部の武人以外ほと
んど描かれませんでした。それが幕末明治になると一変!※(文末参照)そ
れまでとは逆に中国の人物があまり描かれなくなったのです。ですから、こ
の「赤壁賦」は、当時からすればかなり古様な画題です。そんな中、川端玉
章直系の四条派の荒々しくも緻密な描線でこうした画題を描きつつ、近代の
産物である「写実性」すなわち「空気感」を画面に含ませたこの作品は、ま
さに福井江亭の目指す極地を示しているのではないでしょうか。四条派の伝
統の元で学び、近代という今を生きている自分は、新しい何かを作っていか
なければならない。しかし、「文人画」にはならん。けど自分の目指す境地
は、やはり唐詩人たちの理想である、世俗から離れた“隠”の境地だ。在野
の文人画派の目指すところと、アカデミズムがせめぎ合っているような、そ
んな作品です。秋華洞ならではの、掘り出し物の一品です!まだご覧になっ
ていない方は一見の価値ありですよ。
カタログ請求はこちら →https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi
※幕末明治に菊池容斎という人が、歴代人物の肖像500人以上を伝記付で記し
た『前賢故実』全10巻を著し、歴史人物ひとりひとりを丁寧に図像化したの
です。そうして尊王攘夷主義から忠君愛国精神へと流れ込むナショナリズム
の形成の中、日本の国威発揚の意味でも、日本の「歴史画」が盛んになりま
す。明治も中頃になると、それまでとは逆に中国の人物があまり描かれなく
なったのです。中国の人物を描く“漢画”(この言葉の概念も大きく変わっ
たでしょう)は、「文人画」という名前で“南画”とひとくくりにされ、い
わゆるアカデミズムから別の地位を与えられていくこととなります。
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■□■古美術の名脇役 第六弾 <眞田紐>■□■
美術商は、作品を持ち歩く時は風呂敷に包んで持って行きます。でも、箱が
大きすぎて風呂敷が結べなかったり、持ち手がなかったりするときに使うの
が、真田紐。風呂敷の足りない端を真田紐に結び付けて、そのまま紐をぐる
っと本体に回して結び、持ち手を作ります。 この真田紐はそれこそ古くか
らあるもので、その伸びにくさと丈夫さは、信頼の証として美術品梱包のほ
か、鎧兜着用時の紐や帯止めなどにも使われています。名称の由来は、九度
山に幽閉されていた真田幸村が作成したということにちなんでいるそうです。
一見して、「さなだ虫」に見えるので、それから取られた名前かと思いきや、
その逆!さなだ虫のほうが、真田紐のような生物であるところから名づ
けられたみたいですよ!
眞田紐はこちら→http://blog.livedoor.jp/syukado_staff/archives/2007-07.html#20070704
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■□■新着作品■□■
今週は涼しげな作品から御紹介します。
□ 松林桂月「水村洗馬図」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/MATSUBAYASHI_KEIGETSU/A07-0091.html
□ 山元春挙「瀞峡碧譚図」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/YAMAMOTOSHUNKYO/A07-0143.html
□ 河鍋暁斎「入船図」豪快な筆勢が魅力です。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/KAWANABE_KYOSAI/A07-0154.html
□ 岩橋英遠「薔薇」クリーム色の花弁が鮮やに咲く薔薇。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/IWAHASHI_EIEN/A07-0093.html
□根強い人気を誇る 長谷川潔の版画からは「幾何学円錐形と宇宙方程式」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/HASEGAWA_KIYOAHI/A07-0110.html
躍動感溢れる作品が、書から二点アップしています。
□ 金子鴎亭「春は花」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/KANEKO_OTEI/A07-080.html
□ 金子鴎亭「山僧」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/KANEKO_OTEI/A07-0084.html
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■□■お知らせ■□■
少し前の事になりますが、月刊美術2007年6月号『アートフェア東京で見つけた
「今が買いどき!!」この逸品』で秋華洞アートフェア出展作品が紹介され
ています。
詳しい内容はこちら→ http://www.syukado.jp/jp/press/index.html
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■□■ご感想をお待ちしております!■□■
最後までお読みいただき有難うございました。
今回の編集は桑田郁子、中島洋平でした。
みなさまからの感想をお待ちしています。
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グ添付のハガキ、FAX連絡用紙などでも結構です。
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次号もお楽しみに!
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主に日本の美術品・古美術品を中心に、幅広く取り扱っております。
近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。
弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。
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