□■□■ 『日本美術そうだったのか通信』Vol.127完成・カタログ10
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もくじ
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・ご挨拶
・これが絶品!カタログ10
・鑑定マニュアル
・続・福井鴻亭
・ネットで愉しむ秋華洞 <新着作品>
・スタッフブログ
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皆様こんにちは。
最近、秋華洞メルマガ「そうだったのか通信」
にお電話やメール、さらにはご来店されての
コメントを頂くことが多く、皆様の貴重なご意見
に感謝と励ましを頂いております。
今後も応援よろしくお願いいたします。
またご意見・ご感想、どしどしお待ちしております。
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■□■これが絶品!カタログ10□■□
カタログ9を出したばかりですが、なんともうカタログ10明日完成です。
今回自信を持ってお勧めする作品は、谷文晁の「松」三幅対という大変面白
い趣向の作品です。
この作品、三幅すべて同じ位置、同じ松を描き、雪の降る松、雨の降る(滝
に打たれているようなのですが)松、風の吹いている松を描き分けるという
機智的な趣向。これは、三幅それぞれに真体・行体・草体を描き分けて、だ
んだんと崩して描いているのです。三幅対では、たまに落款の書体を真・行
・草に書き分ける事がありますが、同じ画題で三つ、絵そのものを描き分け
るというのは、ほとんど例がないでしょう。
文晁という人は、19世紀初頭の文化・文政頃を代表する文化人といってよい
でしょう。太田南畝、酒井抱一といつも飲み歩き、「下谷の三幅対」と呼ば
れた文晁。付き合う人も超一流。仕事も超一流。門人も多数育てました。し
かし、19世紀の江戸画壇の本当の実態というのは、京都画壇ほど分かって
はいないのです。文晁は初めは狩野派に学びましたが、琳派、南画、南蘋派、
何でも貪欲に学んでいく姿勢は、江戸画壇の特徴そのもの。京都画壇が伝統
に培われ、流派や家格を重んじる若干保守的な傾向を持っていたの対し、江
戸という都市は頼るべき伝統はない。そこが文晁や北斎といった、マルチす
ぎる存在を生み出した土壌の特徴と言えるかもしれません。
文晁は元禄〜享保の江戸の画家である英一蝶の影響を強く受けていると思い
ます。松の描き方は非常に一蝶のそれに近く、三幅対で真・行・草を書き分
けるというのも、一蝶がよくやっています。一蝶は江戸の画家にとっては、
大先輩なのです。こうして、一人の画家の影響関係を探っていくというのも、
面白いですよ。
カタログ10では、見開きページとして三幅すべてご覧になれるように作成
しています。是非ご覧下さいませ。秋華洞カタログ盛夏号、お楽しみに。
カタログ請求はこちら→https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi
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■□■鑑定マニュアル□■□
「あの・・・、谷文晁の作品鑑定をお願いしたいんですが。」書画、絵画
の鑑定査定などをやらせていただいておりますと、様々なお客様からお問い
合わせを頂き、大変ありがたい次第でございます。物故作家から、現存作家
まで、また日本画から洋画、陶芸と様々な作品の真贋を見させていただいて
おります。そのうち、1割くらいの頻度で、「これが絶品!カタログ10」
で今回御紹介した「谷文晁」の作品鑑定依頼をいただきます。偽物の多さで
は、この作家はダントツといってよいでしょう。鑑定歴40年、弊社会長は、
どんな文晁でも正確に一瞬で見極めます。
「口では説明できない、オ〜ラじゃ!」(弊社会長)
会長の書いた「書画・鑑定マニュアル」第一章でも谷文晁の真贋について詳
しくふれています。オ〜ラの内容を知りたい方は、是非御注文下さいませ。
鑑定マニュアル請求 → https://www.syukado.jp/jp/support/kantei/index.cgi
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■□■続・福井鴻亭■□■
前回メルマガで御紹介した「福井鴻亭」ですが、この「赤壁図」完成後、江
亭は中国に旅行し、晩年は千葉の市原の山奥で隠棲してしまいます。こうし
て、同じように“引っ込んでしまった”画家として、弊社のカタログvol.9
に挙げた石井林響(No8、21ページ)がいます。この人も相当な天才だった
ようですが、若くして引っ込んでしまい、その名を知る人は今ではかなり少
ないでしょう。大正〜昭和初期というのは、いろんな人がいます。その後戦
争に突っ込んでいく日本の風潮を、それぞれがそれぞれに感じたのでしょう。
ともかく、こうして世俗を離れてしまった作家に、今もっと光が当たるべき
時代が来ているのかもしれません。だって、相当凄かった人たちばかりなん
ですから・・・。秋華洞が揃えた、隠れた名品をお手元に如何ですか。
福井江亭「赤壁図」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/FUKUI_KOTEI/A07-0135.html
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■□■新着作品■□■
今週は最新カタログ10から数点アップしています。
□山口蓬春「海宝」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/YAMAGUCHI_HOSHUN/A07-0253.html
□今尾景祥「松桜花小禽図」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/IMAO_KEISHO/A07-0182.html
また、カタログ10の浮世絵から多数
□三代 豊国「役者絵」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/SANDAI_TOYOKUNI/A07-208.html
□月岡芳年「月百姿」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/TSUKIOKA_YOSHITOSHI/A07-0189.html
□芳年の同タイトル「月百姿」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/TSUKIOKA_YOSHITOSHI/A07-0190.html
またカタログ9の目玉商品からもアップ!
□東海道五十三対「国芳・広重・豊国」
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/UTAGAWA_KUNIYOSHI/A07-0127.html
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■□■ご感想をお待ちしております!■□■
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秋華洞メルマガ編集担当、桑田郁子、中島洋平がお送りいたしました。
みなさまからの感想をお待ちしています。
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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。
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