2008-02-08日本美術そうだったのか通信
《日本美術そうだったのか通信》Vol.148 横山大観

□■『日本美術そうだったのか通信』Vol.148 横山大観■□

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もくじ
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・ご挨拶
・これが絶品!カタログ12
・横山大観
・ネットで愉しむ秋華洞 〜新着作品〜
・鑑定諸要素

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 東京にも雪が降り、寒さしみる毎日です。

カタログ編集に終われ、メルマガをご無沙汰してしまい申し訳ありませんで
した。今回のカタログは、今までとちょっと違う試みをしております。

「おっ、かっこいい〜!」という声が聞こえてくるんではないかと願ってお
りますが・・・。いかがなるものか!?

発行は二月中旬を予定しております。どうぞお楽しみに!

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■□■カタログ12■□■

 今度のカタログには菊池容斎の双幅が一点あります。

 菊池容斎は、今では殆ど知られてはおりませんが、日本美術の近代を考える
上で、最も先駆的な人物ではないかと思います。『前賢故実』という、日本
の歴代人物500余名の伝記をまとめ、肖像を描いた大著は、色褪せない業績
です。ウィキペディアで歴史上の人物を調べると、明治の初めに出版された
この『前賢故実』からの肖像画が、未だに使われていたりします。

 容斎は初め狩野派を学びましたが、師匠の粉本(お手本)を模写するだけの創
造性のない絵画制作を嫌い、各派を吸収して独自の画境を切り開きました。
そして、徹底した写実に基づいた制作をしたことが知られています。そして、
歴史画がよく知られている人ですが、描く主題はちょっと、グロい。覇気に
満ちた絵を描きます。

それまでの日本の人物画は、西洋から見たら人体の理に適わないもので、例
えば明治に入って西洋からの評価は「日本の女(の絵)は骨なし女」と言われ
ました。

 その中で、北斎や容斎など写生に基づいた人物画はもてはやされている、
と、明治10年代に福地櫻痴(いまの毎日新聞の初代主幹)が報告しています。

 さて、今度のカタログに載るのは、「蓬莱図」双幅です。鶴と亀のめでたい
掛け軸は、伝統的には、亀は尾の長い“瑞亀”が描かれるのが通例です。し
かし容斎の亀は、頭は短く尻尾も短い、まことにリアルなもの。ちょっと異
様といえば異様ですが、いかにもこの人らしいと思います。松や、竹の葉の
ざわめきも、独特の没骨技法で描かれ、瀟洒なものです。

“めでた掛け”にも、その覇気を感じる一品。どうぞお楽しみに。

カタログ請求はこちら→https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi

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■□■ 横山大観 ■□■

 六本木新国立美術館で、近代日本画壇の巨匠横山大観の没後50年を記念して
の回顧展が行なわれています。

 初期から晩年までの代表作がずらりと並び、ボストン美術館所蔵の作品も里
帰りしています。

それにちなんで、おんらいんぎゃらりいでも、横山大観をアップしました。

□朝嶺
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/YOKOYAMA_TAIKAN/A07-0133.html

深く心に染み入る静謐な世界に堂々たる山嶺が描かれており、これこそ大観!
と言える作品です。

□ 墨竹
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/YOKOYAMA_TAIKAN/A07-0273.html

 観ている者の背筋がピンと伸びてしまうような、すきっとした一幅です。

現在『朝嶺』は秋華洞に展示中ですので、ご覧になりたい方はご来店お待ちしております。

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■□■ネットで愉しむ秋華洞 〜新着作品〜■□■

□松本高明 『 富貴花』 叙情的な濡れた感じを持たせつつも、溢れんばか
りの美しい牡丹が咲き誇っています。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_g/MATSUMOTO_TAKAAKI/A07-0579.html

□塩川文麟 『江邨暁雪図』文麟の素朴な筆使いが、冴えを見せる晩年の一作です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/SHIOKAWA_BUNRIN/A08-0011-2.html

□富本憲吉 『疏菜二種』陶芸家としてあまりに有名な富本憲吉による一幅です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/type/kake/A07-0657.html

□結城素明 『晴風』速筆の草々たる墨線と、淡彩が力強く絡み合う一品です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/YUKI_SOMEI/A08-0022.html

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■□■ 簡易査定 ■□■

全回のメルマガで鑑定の要素を6つご紹介しましたが、今日は残りの要素を
ご紹介します。

7) その作家のいつ頃描いたものか

8) 折れ、シミ、傷、剥落、縮みなど。

9) 表装、額装はどのようなものか。

10) 箱の有無・箱の材質(桐箱か杉箱かなど)

11)箱書き画あるかどうか。(共箱か他の人の箱書きがあるか)

12)鑑定書類の有無

13)伝来、画集所蔵の有無、展覧会出品記録など

以上が価格査定の重要なファクターとなります。

秋華洞では、遺産相続等の美術品査定評価書作成も行っております。
http://www.aojc.co.jp/sateihyoka/index.html

メルマガでも少しずつ美術品にまつわる税制度についてお伝えしていきたい
と思います。ご期待下さい。

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■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただき有難うございました。
秋華洞メルマガ編集担当、桑田郁子がお送りいたしました。

みなさまからの感想をお待ちしています。
このメールへの返信、あるいは「お問い合わせフォーム」、あるいはカタロ
グ添付のハガキ、FAX連絡用紙、お電話などでも結構です。

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次号もお楽しみに!

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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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