□■『日本美術そうだったのか通信』Vol.161 夏の工芸品まつり ■□
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もくじ
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・ご挨拶
・夏の工芸品まつり
・上村淳之
・ネットで愉しむ秋華洞 〜今週のアップ作品〜
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■□■ ご挨拶 ■□■
お中元の季節ですね。
連日、日頃お世話になっている方々から、お中元のお品物が届き、楽しませ
て頂いている毎日です。
同業者はライバルだ!というのが大体の職種の特徴ですが、この美術業界
は、ライバルというより仲間意識が強い珍しい業界に思います。
商売なのでしたたかな部分が全くないとは言えませんが、お互いに作品を貸
しあったり、情報を交換し合ったりと、助け合いながらお互い成長していく
という「自他共栄」の姿勢を見ることが出来ます。
暑い夏、感謝の気持ちを込めて届くお中元。
忙しさに忘れてしまいそうな感謝の気持ちを思い出させてくれる季節ですね。
秋華洞から皆様へは、今月末に最新カタログ15をお届けさせて頂きます。
どうぞお楽しみに!
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■□■ クレドオークション 〜夏の工芸品まつり〜 ■□■
あっ、あの、北大路魯山人の湯呑が1000円スタート!
全品真作保証付き、人間国宝クラスの陶芸家が続々登場。
秋華洞田中が代表取締役を務めるクレドオークションならではの、厳選さ
れた超一流店が、『夏の工芸品まつり』と題して、150点もの優品を出品し
ております。
31日までお楽しみ頂けますので、日頃各店を訪れる機会が難しい方、是非この
機会をお見逃し無く。ビッドも続々入っております。
この夏は人間国宝のぐい飲みで一杯!なんて贅沢ですね。
夏の工芸品まつりはこちら → http://www.credo-auction.jp/
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■□■ カタログ15 〜上村淳之 花の中〜 ■□■
現代を代表する花鳥画家上村淳之。
「ちゃんと空気が描けていないと、鳥や花は呼吸ができなくなって死んでしま
いますよ。」と自ら語ったように、上村淳之の描く花鳥画のそこにはしっか
り空気が存在します。
そのせいか、どこか間近にいるように見える花鳥画が上村淳之の作品の魅力
です。それもそのはず、上村淳之は二百種、千五百羽の鳥を自宅で飼うだけ
ではなく、孵化、育雛も行うという、まさに鳥キチ!
上村淳之は、上村松園の孫、上村松篁を父に持つという芸術家のサラブレッ
トとして1933年京都に生れます。
父が画題にしていた鳥の世話をする事が好きで、誰に言われることなく鳥の
世話をして育ったそうです。
淳之のすごいところは、自分の描きたい鳥は飼ってしまえ!という心意気で
す。
飼ってしまえ!という言い方は悪いですね。鳥が好きだから描きたいのか、
描きたいから好きになったのか、どちらか本人も定かではないそうです。
淳之の作品の中に度々登場する”シギ”ですが、シギは日本画には以前はあ
まり登場しない画題の鳥でした。
速水御舟に1点ありますが、デッサンからして生きた鳥をモデルにしたとは
考えにくい作品です。
高い飼育技術を持っていたとされる中国の宗・元の時代の絵画にもシギが登
場しないのは、飼う事が非常に難しかったからだといわれています。
そのシギをどうしても描きたいという思いが募った淳之は、インドのカルカッ
タ動物園までシギの見学に行きます。毎日シギのデッサンに励み、同時に飼
育方法もじっくり観察します。
日本に帰ってきても、シギに対する思いはつのるばかり・・。
そして、淳之はとうとうシギの輸入に成功します。
しかし、念願かなってシギを輸入したものの、肝心のシギは淳之の与える餌
になれず衰弱していくばかり。どうしたものかと頭を悩ませた淳之はシギの
餌の食べ方をじっくり観察します。くちばしの感触で餌を判断しているとみ
た淳之はドッグフードをお湯でふやかして、シギの餌であるゴカイの感覚に
似せてパーッと流水に放ったそうです。
そのとたん、一匹のシギが食いつき、残りのシギもワッとむらがったそうで
す。不眠不休の末、シギの回復に淳之は涙が出たと回想しています。
このシギに限らず、淳之の花鳥図に登場する鳥には、淳之の労力と知恵によ
って愛情一杯に育てられた背景があるんですね。
そうやって、この人の花鳥画をみてみると、確かに非常に優しく温かい眼差
しを感じます。身近に感じているからこそ描ける、花鳥画。
カタログ15では、上村淳之の作品を1点ご紹介しております。
花鳥画としての価値や評価ではなく、淳之の愛情をそこに感じてください。
カタログ15請求はこちら→https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi
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■□■ネットで愉しむ秋華洞 〜今週のアップ〜■□■
今週は浮世絵を久しぶりにアップしています。
□ 吉田博 『提灯屋』
提灯に絵付けをする後ろ向きの人物とたくさんの提灯が描かれるユニークな作品です。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/YOSHIDA_HIROSHI/A08-0298.html
□ 吉田博 『竹林』
竹林の伸びやかな描写とさまざまな“緑色”が目に心地よい一品。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/yo_b/YOSHIDA_HIROSHI/A08-0299.html
□ 二代国貞 『隅田川岡の賑ひ』
耳にかかる髪の表現なども繊細で、色の鮮やかさと共に見ごたえのある作品。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/KUNISADA2/A08-0296.html
□ 月岡芳年 『風俗三十二相 かゆそう』
蚊帳の細かい網目まで美しく表現されています。
http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/TSUKIOKA_YOSHITOSHI/A08-0300.html
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よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。
弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。
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