2008-08-07日本美術そうだったのか通信
Vol.164 屏風の魅力

□■『日本美術そうだったのか通信』Vol.164 屏風の魅力 ■□

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もくじ
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・ご挨拶
・夏期休暇のお知らせ
・カタログ15
・屏風
・ネットで愉しむ秋華洞 〜今週のアップ作品〜

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■□■ ご挨拶 ■□■

 数回に亘りメルマガでもお知らせしました、『クレドオークション夏の工芸
品まつり』も無事盛況の内に終えることが出来ました。

購入してくださった方から感激のメールを多数頂き、スタッフ、関係者一同
涙涙で感動しております。

『落札したものの、初めは失敗したかな、と思ってたのですが、箱から出し
た瞬間、落札できた事すごくラッキーだと感じました。すごくいいです!と
ても楽しいオークションでした。お世話様でした。』

『大変すばらしい作品をいただきました。梱包も厳重丁寧なもので本当に安
心できる業者の方だと確信しました。今後ともよろしくお願いいたします。』

『昨日、無事に作品を受け取りました。思った以上に重厚な感じで、飾るの
も楽しみです。落札から作品の到着まで丁寧に対応して頂き、信頼して取引
ができました。ありがとうございました。』

などなど多数。全部御紹介できなくて残念ですが、皆様本当にありがとうご
ざいました。

今回のオークションを見逃した方、次は芸術の秋に大きな企画を予定中です。

是非、お見逃しなく!

クレドオークション→ http://www.credo-auction.jp/

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■□■ 夏期休暇のお知らせ ■□■

8月13日(水)〜17日(日)まで秋華洞は、夏季休暇とさせていただきます。
査定、お問い合わせ等のメールのお返事はすべて18日以降となってしまい
ますのでご了承下さいませ。

尚、メール、FAXは24時間受け付けていますので、ご遠慮なく送ってく
ださいね。

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■□■ カタログ15  ■□■

今回御紹介するのは、カタログ番号20番吉川霊華「観自在菩薩」です。

 見開きページで御紹介しているこの作品、実は今回のカタログ表紙候補でも
ありました。が!最後の最後で夏らしい作品が入荷し、表紙にならなかった
作品なんです。印刷会社さんに表紙のレイアウトまで作成してもらっていた
ので、世に出なかった表紙を手元にこのメルマガを書いています。

 この作品の見所と言うと、何よりも恐ろしく細かい描写です。観音様の衣服
の皺も勿論、座っている苔むした岩の表現の筆使いもお見事!としか言いよ
うのない細かい技術です。どんな集中力で描ききったのだろうと考えると、
ため息が出そうです。見開きのページに、衣服、岩の部分を強調して掲載し
ているので、カタログを開いてじっくりと見て欲しい箇所です。

 なににせよ、仏画や菩薩の良さは、作者の、神仏に対するリスペクトが表現
されていることでしょうか。単なる物体や人物を描くのではなく、作者の信
仰が表現されるのが、この仏画や菩薩像で、ちょっと他のジャンルとは異な
ります。

 ロシアのイコンも、鎌倉時代の仏画も、若冲の動植綵絵も、村上華岳の観音
も、ひとしく聖なるものを表現しようとする営みが私たちを感動させるので
しょうね。ロシアのイコンは、断食と祈祷の中で描かれたそうですよ。

この菩薩も、霊華の真骨頂!お床がキリリと引き締まる一幅です。

是非、見開きページを含めてじっくりとご覧になってください。

カタログ15請求はこちら→ http://www.syukado.jp/jp/support/catalog/catalog.html

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■□■ 屏風 ■□■

 秋華洞の屏風作品は、ほとんど海を渡り海外へとお嫁に行ってしまいます。
海外のお客様が口を揃えて言う言葉は「屏風を壁に飾りたいんだ!」「屏風
を壁に?」と日本人だと考えてしまいますが、購入後壁に飾った屏風の写真
を送ってくださるのを見ると、はっきり言って壮観!です。真っ白な壁にど
ど〜んと飾られた屏風を見て、「ここなら安心。よい所にお嫁に行ってく
れてよかった。」と一安心するものです。

 日本だと屏風自体を壁に飾るどころか、置いておくだけでも、大変です。広
げようものなら、子供が突撃しやしないか、いや、そんなことより邪魔すぎ
て観賞する所じゃありません。屏風はじっくり観賞できるだけのお住まいを
お持ちの方に限っての調度品になってしまっているのが現状です。

 この様に、現代の日本では日常生活の中で見ることが少なくなった屏風です
が、そもそも屏風って何だったんでしょうね?ってのが今回のテーマです。

 今では美術館や博物館で見る屏風ですが、そもそもは防風・防寒あるいは室
内の間仕切りとして使われていた、かなり実用的な調度品でした。

 様々な用途の為に使われていましたが、例えば、画面すべての絵が白い絵具
で描かれた”白絵(しらえ)屏風”。これは、白は縁起の良い色という事から、
出産のときに使われたそうです。

 また、臨終の際には”逆さ屏風”といって屏風を上下逆さにして立てたと言
われています。

 他には、屏風の各パネルの真ん中を簾(すだれ)にして風を通りやすくした
夏用のものもあって、表具の装飾には夏の草花や流水模様を用いて涼しさを
演出したりしたそうです。

 あとは、京都・祇園祭で今も続いている習慣として、商店主が自分の家にあ
る屏風を立てて見せる「屏風祭り」があります。これは祭りのときに他人が
家を出入りするので、散らかっている部屋を隠すために屏風をたくさん立て
たことが始まりといわれています。

 急なお客様が来たときに、慌てて物を押入れに詰め込んだり、布をかけて隠
したりしますが、似たようなことですね。

 このように実用品であるけれども、やはり美しい絵が書いてあるほうが見た
目にもよい、ということで屏風には様々な絵や装飾が施されました。

 といったところで、今回のメルマガは随分長くなってしまったので、ちょっ
と一休憩しましょうか・・。

次回も、屏風の持っている豊かな世界を引き続き御紹介していきたいと思っ
ておりますので、どうぞ、お楽しみに!次号は夏休み明けです。

秋華洞の屏風はこちら → http://www.japanese-finearts.com/item/list/38/

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■□■ネットで愉しむ秋華洞 〜今週のアップ〜■□■

□山元春挙 『翠浪金鱗図』
 
翠の色彩が際立つ清々しい一品です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/jp_b/YAMAMOTOSHUNKYO/A08-0317.html

□ 勝海舟・山岡鉄舟 『一行書』双幅

沈着冷静な海舟らしい落ち着いた書体と剣豪・鉄舟の大胆で豪快な筆勢が対
比的で、味わい深い双幅。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/kohitsu/KATSU_KAISHU/A08-0201.html

□ 荒川豊蔵 『 白牡丹』

人間国宝・荒川豊蔵が若いとき画家志望であったことは意外に知られていな
い事実です。落款から晩年作であろうことがわかります。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/kogei/ARAKAWA_TOYOZO/A08-0050.html

□松平定信 『 和漢朗詠抄 断巻 』

学問好きの定信の姿を偲ぶ一軸です。

http://www.syukado.jp/jp/search/detail/artist/shoga/MATSUDAIRA_SADANOBU/A08-0095.html

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■□■ご感想をお待ちしております!■□■

最後までお読みいただき有難うございました。
秋華洞メルマガ編集担当、桑田郁子、塙萌衣がお送りいたしました。

みなさまからの感想をお待ちしています。
このメールへの返信、あるいは「お問い合わせフォーム」、あるいはカタロ
グ添付のハガキ、FAX連絡用紙、お電話などでも結構です。

☆☆秋華洞に感想でもと思ってくださった方はこちらへ☆☆
「秋華洞お問い合わせフォーム」をご利用ください
https://www.syukado.jp/jp/support/contact/index.cgi

次号もお楽しみに!

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弊社は50年にわたり日本美術商として活躍した代表・田中自知郎が長男・
田中千秋と共に、平成15年に「有限会社アートオフィスJC」として設立され、
その後平成18年に「株式会社秋華洞」と商号変更致しました。

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