2009-09-27日本美術そうだったのか通信
『日本美術そうだったのか通信』Vol.191 朝顔は秋の花??

□■『日本美術そうだったのか通信』Vol.191 朝顔は秋の花?? ■□

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もくじ
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・ご挨拶
・孤高の天才洋画家 -梅原龍三郎-
・朝顔は秋の花?? 絵画から読み取る季節
・ネットで愉しむ秋華洞 ~新着作品~…今週はお休みです

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■□■ご挨拶□■□■□■□■□■□■

 シルバーウィークを利用して岩手に行って来ました。鶯宿(おうしゅく)温泉と
いういい感じにひなびた観光地へと向かう道すがら、車を降りてしばし自然を満
喫。最近、秋カタログ掲載用の作品に触れていた私は、気付けば「これはあの絵
にあった花かしら」「この植物も秋のものなんだ」と、すっかり画廊モードへと
頭が切り替わっていました。新たな知識を得ると、これまでの景色もなんだか違
って見えるものですね。

そんなわけで、今回も皆様の日常を豊かに彩るすてきな情報をお届けしたいと思
っています。おたのしみに!

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□■□ 孤高の天才洋画家 -梅原龍三郎- ■□■□

 情熱が才能を支えているのか、才能あるがゆえの情熱なのか、著名な作家の人生
というものは、大抵が驚くべきバイタリティに満ちています。日本の洋画史上に
圧倒的な存在感をもって君臨する彼の生涯もまた、粛々とした情熱にあふれてい
ました。

梅原龍三郎は、明治21年に京都で染呉服業を営む家の末っ子として生まれまし
た。土地柄もあり、絵を学ぶ環境に恵まれた彼は洋画の基礎を身につけると41
年に渡欧、到着早々かの有名な印象派の画家・ルノワールの絵に感銘を受け、実
際に彼の下を訪れます。この時ルノワールから受けた指導は、後の梅原の画風を
方向付ける始点となりました。

ちなみにこの留学期間中、梅原はピカソとも知り合いアトリエを訪れています。彼の
立っていた舞台が、いかに当時の日本人離れしていたのかお分かりですよね。

帰国後、彼は数々の作品を発表し、その長い道のりの中で独自の画風を確立して
いきました。年代によってその筆致はさまざまですが、その多くがおおらかで色
彩に富み、観る者の心を豊かにする不思議な力を持っています。富士山や浅間山
など、日本を象徴する風景にも積極的に取り組んだ彼は、ルノワールの精神を受
け継ぎながらも「日本の洋画」の魅力を確実に向上させ、98才でその生涯を終
えました。

今回最新カタログからご紹介するのは、梅原龍三郎黎明期の作とされるカタログNo.
43「来の宮」。1937年に同名の作品が発表されていますが、本作はそのス
ケッチのようで、鉛筆と水彩絵の具で描かれています。当時熱海に別荘を借りて
いた梅原が、眼下に広がる絶景をさらさらと器用な左手で写しとっていく姿が目
に浮かぶよう。
 
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■□■ 朝顔は秋の花?? ■□■

 先日、新しく入荷した絵画を箱から出す時のこと。「秋暁」と名付けられたその
作品を取り出してみると、キャンバス一面に小ぶりの朝顔が咲き乱れていました。
はてさて、朝顔といえば、夏休みに観察日記をつけた花のはず。どうして秋をテー
マにした絵にこの花が描かれているのでしょう?

実は朝顔というのは秋の季語なのだそうです。季語というのは旧暦に基づいて作
られているため「西瓜」や「盆踊り」なども秋の季語。オクラに大豆、ゴマにと
うがらしなど、ほかにも調べ出すと美味しそうな季語が秋にはたくさん並んでい
て、つい食材をえらぶような気持ちで資料に読み入ってしまいました。

とはいえ、季語はあくまで俳句に詠むために作られた言葉。作者の方がいつごろ、
どんな気持ちでその絵を描いたのか、本当のところはわかりません。冒頭でも触
れましたが、岩手では秋風にたなびくコスモスのとなりで、朝顔が立派な花を咲
かせる光景を目にしました。

私たちの脳裏に焼き付いている真夏の日射しと朝顔の組み合わせは、たとえばビー
ルと一緒に出される枝豆みたいに、ひとつの固定された「夏」のイメージとして
頭に焼き付いているだけなのかもしれません。

秋華洞所蔵の掛軸。季節に合わせて床の間を彩ってみてください。
http://www.syukado.jp/jp/search/item/type/kake.html

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