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お届けします。株式会社秋華洞提供。
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■今週の「そうだったのか!」━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
こんにちは。寒い日が続きますがお元気ですか?
浮世絵、海外担当の秋華洞スタッフの山田です。
今日は浮世絵ではなく現代作家、池永康晟さんの話題です。
池永康晟さんの画集、「君想ふ百夜の幸福」が
今月10日に発売されました!
アマゾンでも一時品切レになるほど、秋華洞にもたくさんの
お問い合わせをいただいています。ありがとうございます!
(こちらからご購入いただけます。国内送料無料です。
サイン本をご希望の方はお時間をいただく場合がございます。)
秋華洞では池永さんの作品をアートフェアやホームページ等で
ご紹介して何年がたちますが、海外のお客様からも大変お問い
合わせが多い作家さんです。
実際、ロシアのステーショナリーに採用されたり、
谷崎潤一郎のペーパーバックの表紙にも採用されています。
http://www.aojc.co.jp/staff_blog/2013/04/post-283.html
さきほどもロシアの方からメールで池永さんの画集の問い合わせが
あったばかりです。
そんな満を持しての発刊だった池永さんの画集は、4年前の
ある編集者と池永作品の出会いで生まれました。
この画集の企画・編集をした芸術新聞社の山田竜二さんにお話を
伺いました。
<池永作品との出会い>
4年前にたまたま訪れたカフェで、池永さんの絵が表紙になって
いる小冊子を見てひとめぼれ。
アートフェアで実際の池永作品を見て、画集を出せたらいいなぁ
と思っていたそうです。
その後、営業を担当することになり、一時画集の編集からは遠ざかり
ますが、その間、新たな仕事、営業で池永作品と「画集」との相性を
確信したそうです。
山田さんは営業として書店をまわる中で、画家の有名度や人気度が
必ずしも「画集」との売れ行きと一致するわけではないことを感じて
いたそうで、じっくり見たい池永作品はその点、画集と「相性がいい」
作品と山田さんは言います。
<レイアウトの妙>
池永作品は人物画がほとんどで色調も確立しているため、山田さんは
レイアウトにはかなり苦心したそうです。
最初は代表作から並べていく案もあったそうですが、池永さんの作品は
どれもすばらしいため、試行錯誤の後、結果的にモデルごとのページ構成に。
見開きページでの二つの作品の組み合わせ、切り取り方、1ページの中での
レイアウト、ページを開くたびに新たな発見があります。
一番難しかったのはこちらの見開きだそう。
http://www.aojc.co.jp/artists/profile/images/2008-01-01%2000.00.00-29.jpg
パッチリ目を見開いている作品は意外に少なく、組み合わせに苦心した
そうです。さて、右側にはどんな作品が?
ところで、もうお買い求めになった皆さんは表紙のカバーをはずして
みられましたか?
実はカバーと本体の表紙は違う作品が使われています。
http://www.aojc.co.jp/artists/profile/images/ikenaga.hyoushiura.jpg
本体の表紙に使われた「如雨露・真美」もカバー表紙候補だったそうです。
(アートフェア台北出品作品、アートフェア台北の様子はこちら
http://www.syukado.jp/jp/tokusyu/10_taipei.html)
ただ、女性にも幅広く手にとってもらおうと、女性の嗜好や、総合的な判断で
「糖菓子店の娘・愛美」になりました。
ちなみに、大手書店で画集発売を記念してパネル展が開かれていますが、
男性客が多い場所にある書店からはちょっと色っぽい作品のリクエストが。
女性客が多い書店からは明るい色調で健康的な作品のリクエストが多いそうです。
<美人画の継承としての池永作品>
山田さんは池永作品を「美人画の系譜」として捉えているそうです。
日本美術において、古くは正倉院の「鳥毛立女屏風」に描かれ、江戸の浮世絵で
花開いた美人画の系譜。
明治以降も竹久夢二、鏑木清方、上村松園が人気を博しましたが、戦後しばらく
美人画というジャンルは途絶えていました。その間、美人をモチーフにしたのは
主にイラストレーターたちでした。そこに現れたのが日本画家・池永康晟です。
本画集で池永による”美人画の最前線”というべき綺羅星のような作品群を
ご高覧いただけます。
「芸術新聞社」池永康晟画集 解説記事より。
途絶えていた「美人画」というテーマを補完していたイラストレーターとして、
山田さんから林静一さんや中村佑介さんの名前が挙がりました。女性のファンが
多い点も池永作品との共通点です。
お話を聞いている間、終始笑顔がこぼれていた山田さん。
4年越しの思いを形にし、週末は1日中画集を眺めていたそうです。
さて、その池永さんの展覧会がまもなく始まります。
画集刊行記念 池永康晟展 君想ふ百夜の幸福
新宿タカシマヤ
■1月29日(水)→2月10日(月)
■10階 美術画廊
※最終日は午後4時閉場
http://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/
ぜひ、どうぞ!!
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★更新情報
・秋華洞スタッフブログ…
池永康晟画集、制作秘話
http://www.aojc.co.jp/staff_blog/2014/01/post-329.html
http://www.aojc.co.jp/staff_blog/
・浮世絵サイト…新着情報
月耕 「浮世十二ヶ月」、芳幾 「今様擬源氏」
歌麿 「藝自慢子宝合わせ 七幅之内」、
「春画本」、 広重 「箱根七湯図会 堂がしま」ほか
(サイト左上のNew Arrival!より新入荷情報をご覧いただけます)
http://jp.japanese-finearts.com/
・おんらいんぎゃらりい
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