□■□■ 「日本美術そうだったのか通信」 Vol.34
発行 有限会社アートオフィスJC・秋華洞
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<本マガジンの説明>
日本美術の鑑賞界のホットニュース、古今国内東西の作家のエピソード、美術業界
裏話など、日本美術をより楽しむための情報をお届けします。
アートオフィスJC・秋華洞提供。
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いつも拙(つたな)いメールマガジンをお読み頂いて有難うございます。
アートオフィスJC・秋華洞の田中千秋です。
先週は発行が間に合わず、お休みしてしまいました。安定した発行が、メ
ルマガのキモだと思います。もし待って頂いた方がいたとしたら、申し訳ご
ざいません。
何とか時間を作って、定期発行できるよう、頑張ります。
☆☆★☆☆★☆
そうした事情もあって、今、私どもでは新人社員を初めて募集しておりま
して、今、数名の方と面接を行っている最中です。(それで一時的に多忙に
なってしまっておりますが。。)
そこで、ときおり聞こえてくるのは、サービス残業(残業代の支払われない
残業)含みの激務に耐えかねての弊社への応募、という動機です。
私にもSE(システムエンジニア=コンピュータソフトを作る技術者)時代
に、「サービス残業」で働いた経験があります。
やはり、いささか、理不尽な思いは、しました。
雇用側にとって、人件費をへらして利益を確保したい、ということ、そして
、無駄な残業(たんに時給をふくらませる為のいわゆる「生活残業」)を減
らしたい、という思いがあろうことはわかります。私も経営者として、正直、
出て行くものは少なくしたい。
わからなくはありませんが、経済的にも健康面でも磨り減るばかりの20代・30
代が水面下で拡大しているとすれば、心配です。そして、何のための会社だ
ろう、とも思います。
会社、というのは有り体にいって、儲けるため、にある、とは思いますが、
同時に、お客様と、社員を幸福にする、という使命を帯びているのではない
でしょうか。。。。あるいは、お客様、同業者、社員。全ての人がお客様、
という考え方もあり、だと私は思います。
アナタの考え方は「ジコチュウ」よ、と、時折、家族(主に妻)に攻撃され
ている私が言うのはおこがましいですけれども。
・・といって、お金さえ払っておけばいい、というものでもありませんが。
会社が倒れては元も子もない。結構、悩みます。
——————————————————(商品のご紹介)
本日は、新しく入った作品がやっと一つだけ写真の掲載が間に合いましたの
で、ご紹介致します。
○吉田善彦「塔の秋」 額装
速水御舟、小林古径に師事した吉田善彦先生の作品です。画伯は4年前・平
成13年に亡くなりましたが、あくまで淡く静謐な色遣いで、お寺や自然な
どの風景画を多くのこしました。
『塔の秋』
鉛筆のような細い線で描いた塔と木々に、あくまで薄く色が塗り重ねられて
います。「善彦」の落款も、淡く上品な筆遣いです。部屋に掛けられている
と、空気が澄んでくるような心持ちのする作品です。
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6rox0a8qwegfyep
吉田善彦『塔の秋』
紙本着色・ 額装
15号 本紙 64x49 cm 額装 90x75 cm
落款・印・共シール
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言うまでもありませんが、肉筆作品、真筆保証です。
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さて、今日は本題が二つあります。まずは一発目。
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「風呂敷」についてその2
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前回、「風呂敷」を話題にしました。
「風呂敷」は、凄いンです。
風呂敷は、どんな大きさのものも包、ことなる大きさのものを一緒に包め、
ちっとやそっとじゃ破れず、持ちやすく、いらなくなったら畳んで、しまう
ことが出来て、真田紐との相性も良い。
もう、雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、の宮沢賢治みたいなもんです。
強くて、柔軟、出しゃばらない。
・・というようなことを、前回ご案内しました。
そして、今回のお約束は、「包み方」のご紹介です。
正直申し上げて、私は風呂敷の包み方が上手くありません。
風呂敷の包み方に「一流」「二流」・・があるとすれば、多分私は「三流」
です。
風呂敷をどれだけ素早く、美しく包めるかで、その美術商の「格」がわかる、
というのが、美術商のある種の不文律のようです。その伝でいくと、私は促
成栽培画商なので、恥ずかしくて人前で包むことが出来ません。
・・・え、前置きと言い訳はいいから早く書け?
はい、わかりました、では、恥ずかしながら、次の写真をご覧下さい。
(1)http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6sox0a8qwegfyep
まず、包みたいものの大きさにあった風呂敷を、角が手前と奥に来るように
並べます。
(2)http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6tox0a8qwegfyep
次ぎに、包みたいものが、なるべく安定した「カタマリ」になるように、並
べます。掛け軸の場合、自分の広げた両手を平行な方向に並べます。
(3)http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6uox0a8qwegfyep
そして、手前の布を、むこう側に渡して、荷物の底に敷き込みます。
(4)http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6vox0a8qwegfyep
向う側の布を、手前に持ってきて、余った部分は織込んでしまいます。
(5)http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6wox0a8qwegfyep
左の布の底を思い切り引っ張ります。(右からでもいいです。左からとした
のは単に撮影の都合です。)
左の布の角を「決め」て、中央に向かってぐっと引っ張ります。
右も同様に中央に引っ張って、左右の布の中央を結びます。
布が余る場合は、左右に結わえます。
(6)http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6xox0a8qwegfyep
もし、これだけではイマイチ安定しない場合は、真田紐をぐるぐる捲きにし
て留めます。この美しさが美術商、道具やの腕の見せ所ですが、私は、マス
ターしていません。(断言)。
写真は、私どもの狭い事務所で撮っている上、人のいない時間に孤独に撮影
したため、
一、風呂敷が拡がっていない
二、一人称の視点で撮影しているため、手つきがわかりにくい
三、何より、包み方が下手。
という特徴があります。すでに風呂敷愛用者の方から見ると噴飯ものの包み
方だとは思います。とはいえ、今回は風呂敷未経験の方にその世界をご紹介
してみました。
もう少し上手になり、かつ、社員が増えた段階で、撮影を丁寧にして、再挑
戦したいと思います。
・・が、今回は、これでご容赦下さい。。。(もう、私が教えてあげるわよ、
どうしようもないわね!という方は是非ご教授下さい。。。お待ちしており
ます。)
そして、本題の二発目。
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「熱血!小室翠雲」その1
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突然ですが、
横山大観。
知ってますね?
竹内栖鳳。
やっぱりご存知。
村上華岳。
ちょっとマニアック。知らない方もいるかしら。
いずれも、明治にうまれ、昭和の前半になくなった、こんにち、極めて評価
の高い画家です。
そして、小室翠雲。
この名前をご存じですか?
知っている方は、こちらをクリックして下さい。
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6yox0a8qwegfyep
知らない方は、こちらをクリックして下さい。
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p6zox0a8qwegfyep
(メールマガジンの仕組みで、集計できます。次回発表。ちなみに、この仕
組みは、クリックされた数はわかりますが、クリックした人は特定できませ
んので、ご安心を・・・ちなみにクリック先はさして面白い画面じゃありま
せんので、違う方のリンクを押さないで下さいね。)
彼も、大観、栖鳳、華岳とほぼ同時代の、画家。その頃の、大家のひとりと
云っていいと思います。
このメールマガジンでは、多少紹介しているので、ご存じの方もいるかもし
れませんが、しかしやはり、たぶん、ご存じない方の方が多いでしょう。
忘れられてしまった、文人画家。
でも、存命当時は、画壇の権威者として君臨していました。
たとえば、昭和5年発行の「日本古画家評価見立便覧」によりますと、「小
室翠雲」の名前は、大観、栖鳳、玉堂に次ぐ位置に見ることが出来ます。
今、その絵を見ると、おとなしい、山水図、という位に見えますが、絵は穏
やかに見えても、どうしてどうして、人となりを探ってみると、なかなか痛
快なキャラクターのようなのです。
小室翠雲とは、誰なのか。
紹介していきたいと思います。
と、いうところで、次号を、お楽しみに!
☆☆★☆☆★☆☆★
ミニミニニュース
書画・鑑定マニュアル お待たせしております。
昨年9月に出す、10月に出す、と言ってオオカミ少年状態が長らく続きま
してご迷惑をおかけしております。
以下に掲載したのが、校正中の原稿です。
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40p60ox0a8qwegfyfp
これを読めば、あなたも鑑定士!などと調子よくは参りませんが、世間に多
い書画鑑定を巡る誤解をいくぶん和らげる内容にはなっているかと思います。
物書きではない弊社会長・自知郎の文章ですので、いささかお見苦しい点も
あるかとは思いますが、普段のエンターテイメント小説マニアの読書癖を生
かして?ソレナリに楽しい文章に仕上がることを期待したいものです。
3月までには出せると思いますので、もうしばらくお待ち下さいませ。。。
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ご感想、お待ちしています。また、私の誤解・曲解・凡ミスなどの間違いの
ご指摘、ご異見、も是非お寄せ下さい。(応援も頂けると、嬉しいです。)
このメールへの返信で私に届きます。
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近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
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