□■□■ 「日本美術そうだったのか通信」 Vol.47
発行 有限会社アートオフィスJC・秋華洞
http://aojc.co.jp/ アートオフィスJC
http://www.syukado.jp/ おんらいんぎゃらりい秋華洞
現在発行部数2,672通(独自配信147 まぐまぐ 2,483 melma!42)
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<本マガジンの説明>
日本美術の鑑賞界のホットニュース、古今国内東西の作家のエピソード、美術業界
裏話など、日本美術をより楽しむための情報をお届けします。
アートオフィスJC・秋華洞提供。
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しだいに暖かくなってきましたが、突如朝夕が冷えたり、夜は雨が降ったり
で、気が抜けませんね。隣で弊社の新人・猪山もコホコホやっております。
私は2ヶ月ほど前にかかった流感から引っ張っている咳がなかなか抜けませ
ん。あーこんなに気管支弱くては不安です。が、先ほど病院でも聞きました
が、私のような方が今とても多いそうです。みなさんも、お気を付け下さい。
アートオフィスJC・秋華洞の田中千秋です。
前回は、アメリカ=ブレードランナー仮説、などと勝手なことを書きまし
たが、感想をいくつかいただきました。ありがとうございます!
お返事は必ず書きますので、是非これからもご感想を頂けると嬉しいです。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
今回は。
ニュースを最初に申し上げます。
やっとこさ、「鑑定マニュアル」ができあがりました!
昨年の9月頃から、来月頃出る、来月頃出来る、と毎月のように唱えており
まして、もう皆さんには単なるブラフ(はったり)・オオカミ少年、と思わ
れていないか、父の遅筆にハラハラしつつ、進捗を見守っておりました。
しかし、やっとできあがりました。
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oez1z0c8mo3jqosy
書画目利き道40年を誇る弊社会長・田中自知郎が、書画鑑定および査定評
価のノウハウの一端を、わかりやすく、ご紹介しております。
美術品鑑賞やご購入の際の基礎知識としても「使える」内容かと思いますの
で、よろしければご請求下さい。無料です。
ただし、誤解を避けるために申しますが、「この本を読めば、あなたも明日
から鑑定士!」などという調子の良いことはございません。(本屋に平積み
するときの「帯」にはありがちな記述ですけれど)書画のシリアスな査定は、
いいものも悪いものもカナリの数を見ないとできないと思います。かくいう
私もまったくの途上です。
しかし、一方で、このメルマガでも度々触れていますけれども、案外、一般
の方には書画鑑定・査定を巡る誤解が非常に多いのも事実です。しかもハッ
キリいって、誤解を広めるような人や言説も少なくありません。この冊子を
読んでいただくことで、ほんの少しでも、そうした誤解を解ければ何よりと
考えております。
父にとって、自分の名前を冠した著作物は(カタログ以外では)初めてです
ので、果たして面白いかどうか、読者のご判断を仰ぎたい所ですが、トシの
割には案外に軽妙な語り口で、書画の世界を紹介できているように思います。
『書画・鑑定マニュアル 混迷と誤解に満ちた「鑑定」の核心にせまる』
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe01z0c8mo3jqoty
(あまり数は印刷しておりませんので、品切れの際はご容赦下さい)
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今週の新入荷情報
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■須田剋太『現代の記号』(すだこくた『げんだいのきごう』)
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe11z0c8mo3jqoty
須田剋太についての特集その4
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe21z0c8mo3jqoty
で触れていますが、こんにちイメージする須田剋太の絵の多くはグワッシュ
で描いた仏、男、風景などの荒々しい何か土着的なイメージかと思いますが、
40代から60代にかけては、抽象画家としてして活躍しました。
先日、その時代である、1959年(昭和34年)53歳の頃の作品を入手
しましたので、ご紹介致します。
PC上の写真で表現するだけでは色合いしかわからないのですが、実際に
は盛り上げた白い硬質のベース(あたかも石畳のよう)の表面に穴がうがた
れ、傷が付けられ、三角の足跡が付けられたうえ、油絵の具あるいは水彩、
粉末などで彩色された「彫刻」と呼びたいような作品です。
エネルギッシュなイメージもありますが、一方で、色遣いはどこかフルーツ
キャンディのような?モダンな印象で、額も白額で、全体ではあんがい、気
品のある雰囲気が出ています。こうした私の受け止め方が、本人の意図した
ものと合っているのかどうかはわかりませんが。
20年にわたって剋太は抽象画家として活動するのですが、ここで色と形の
マチエールを様々に試みた成果が、65歳で司馬遼太郎と出会い、具象画に
回帰するときに、独特の文体をもったこととなって現れているように思いま
す。
須田剋太ファンの方、この時代の作品も、油絵・書と並んで是非コレクショ
ンに加えられては如何でしょうか。あるいは、廊下や玄関などのちょっとし
たスペースにかける抽象として、存在感のある一枚となると思います。
須田剋太『現代の記号』
板にミクストメディア・額装
本紙 52.5×39 cm 額装 65×51.7 cm
画中にサイン・裏書き
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe31z0c8mo3jqoty
☆作品は弊社画廊で御覧になれます。作品はそのもの一点限りですので、購入
をご希望される方はお早めにご連絡下さい。
<弊社開廊時間>
平日 10:00-18:00
土曜 10:00-18:00
(ただし土曜日は都合により閉める場合がありますので、事前にご連絡を。)
TEL 03-3569-3620 or 03-3569-3990
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
弊社案内図
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe41z0c8mo3jqoty
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土曜スタッフ募集
土曜日のみの事務をしてみませんか。
土日お休みのOLの方などで、責任を持ってきちんと勤めて頂ける方を、募
集致します。ワード、エクセルの知識必須。HTMLの経験があれば尚可。
オンラインショップと美術商の世界に興味がある方。ただし本気でやる気の
ある方のみ。
担当:田中千秋 03-3569-3620 info@aojc.co.jp
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真贋について 番外編
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真贋について、という連載に入れるほどではありませんが、ちょっとその周
辺の話題を。
先日、例の鑑定番組、「開運!なんでも鑑定団」
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe51z0c8mo3jqoty
で、陶磁器の査定担当の中島先生が良いことをおっしゃっていました。
ガセネタ専門のコレクター(本人はよいものと思っていらした)に対して、
「私の本をお読みになって頂いたのは嬉しいのですが、やはり知識から入っ
てはダメです。感動、がまず土台にあって、その上に知識という建物がたっ
て、はじめて美の殿堂、というものが完成するんです。」
贋物を持ち込まれた方に対して、皮肉や批判を言うのでなく、非常に優しく、
また易しく、鑑賞や蒐集の基礎を適切に伝えていらっしゃる、そして本質を
突いている、と思いました。
いいもの、には、やはり見たときにハッとする良さがあると思います。美術
品の場合、人気あるいは需給関係によって価格が上下しますので、「よいも
の」が「高い」、という具合に簡単に相場は決まりませんが、贋物かどうか
迷ったときは、まず、ハッとするものがあるかどうかに立ち戻ることは必要
なように思います。
この仕事をしていると、贋物とおぼしきものを見せられる機会も多いのです
が、やはりアカン、と思う物は何かしら、イヤーな雰囲気、卑しい感じがた
だよっています。
江戸時代の作家に関しては贋物がおびただしく、近代、現代でも、球子さん
や東郷青児のものなど、いや、どんな作家でも、評価が高い(ないし高かっ
た)ものに関しては、しばしば怪しげな物を見かけます。また、インターネッ
トオークションなどで、匿名の出品者の出している物のうち非常に多くがダ
メなものですね。
こと美術品に関して言えば、「よいもの」を「安く」手に入れよう、と安直
に考えるのは危ないと思います。小売りの相場が200万円のものを180
くらいで手に入らないか、というぐらいは、うまくいけばできるかもしれま
せんが、1000万の物が10万円で掘り出し!などという話に乗るのはや
めておいた方が懸命でしょう。(その反対もしかり。)
「美術品の価格はあってないようなもの」という感想を時々聞きます。
バブル崩壊に伴って、土地、株にもまして暴落著しかった美術品・絵画の価
格(二十分の一ともいわれています)を考えると、全くのウソではないかも
しれません。あるいは相場とかけ離れた価格で取引がなされ、時代の病巣を
反映したといわれるイトマン事件などを見ると、そう思うのもむべなるかな。
しかし、それでも、その時々での適正な価格、というものはあります。つま
り、「あって」、やはり、「ある」と思います。
上の感想を極論すると、世の「価格」じたいがあってないようなもの、とい
うことになっちゃうと思います。ものの値段が、流通経路、地域、時代でも
かわることは美術品に限らず普遍的なものですから。ま、それはさておき。
そこを外れて著しく高く売ろう、とか、逆に滅茶苦茶安く拾ってやろう、と
いう考え方、つまり単純に投機的な考え方は、まさに「知識」から入る美術
品の接し方で、罠にはまりやすいと思います。
とはいえ、私も新米美術商、欲をカイて罠に数十回もハマってこそ一人前、
とも言われる世界ですので、私も苦労させて頂くのかしら・・やれやれ。
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ミニミニニュース
「そうだったのか通信」バックナンバーのブログ化プロジェクト進行中
http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe61z0c8mo3jqoty
今、上記のURLで、このメールマガジンのバックナンバーブログ化を進め
ています。まだ完成しておりませんが、次第に形が整うはずです。
(今までもmelma!のシステムを使ったバックナンバーはありましたが、これ
は機能が非常に限定されておりました
参考 http://k.d.cbz.jp/t/h4vn/40oe71z0c8mo3jqoty )
今回のブログ化での改善点は、
・バックナンバーのカテゴリ別表示
・バックナンバーの発行時期別に簡単にジャンプ
・バックナンバーのURL部分でクリックするだけでリンクをたどれる
・バックナンバーページとメルマガ登録・解除画面が一体化
・デザインが綺麗
などになるでしょうか。ブログ化は以前から取り組んでいたのですが、エラー
続出でなかなかうまくできませんでした。が、今回はなんとかなりそうです。
もとSEの美術商のメンツにかけて?ちゃんと作りますので、ちょっとお待
ち下さい。
メルマガ「日本美術そうだったのか通信」バックナンバー
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このメールへの返信で私に届きます。
あるいはこちら⇒chiaki-magazine@aojc.co.jp
投稿いただいたメールは、本メルマガに掲載する場合があります。(勿論事
前にご承諾を得てからの掲載になります。)
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最後までお読み頂き有り難うございました。
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東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル7F
代表取締役 田中自知郎・田中千秋
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アートオフィスJC・秋華洞のご案内
主に日本の美術品・古美術品を中心に、幅広く取り扱っております。
近代絵画・現代絵画を軸とし、さらに、鎌倉・室町時代より、現代に至る
まで、あらゆる分野で活躍した画家・高僧・武将・文人・歌人・俳人の手に
よる絵画・書蹟、時代屏風、絵巻、古文書、古写本、古版本、稀覯本(きこ
うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
対応致します。
弊社は平成15年に設立、平成16年に開店致しましたが、50年近く美術業界
で活躍した代表・田中自知郎が息子・田中千秋と共に新たに設立致しました。
(代表プロフィールは↓)
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