2006-06-12日本美術そうだったのか通信
Vol.94 [C]カタログできた!買い方ガイド2

□■□■  「日本美術そうだったのか通信」 Vol.94
発行 有限会社アートオフィスJC・秋華洞
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術業界裏話など、日本美術をより楽しむための情報をお届けします。
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もくじ
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・秋華洞夏カタログ完成!
・「はな・花・華展」お越し下さい
・買い方ガイド その2
・おまけニュース
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できました。

やっと、できました。

Vol.88以来、3週間ほどのご無沙汰をしております。

アートオフィスJC・秋華洞の田中千秋です。

できたのは、季刊 日本美術カタログ「秋華洞 Vol.5 2006夏号」です。

https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi

やっとできたのですが、まず欠点から申します。

軽いです。

中身じゃなくて、物理的に。

紙には「重さ」というものがありまして、今回少し軽めの紙で仕上げてみたの
ですが、うーん、残念、ある意味「週刊文春」みたいなテイストの紙質になっ
てしまいました。

これは反省点として、次回以降につなげていきたいと思います。

しかし。

中身は、重い。

オモイ想いで詰まっております。

今回は、Vol.88でも予告したとおり、強力な特集「そうだったのか通信 エク
ストラ」を用意しました。

山下裕二さんインタビュー。

このインタビューは、「美術品を買う」という事が、まだ一般的とはいえない
日本で、すでに「コレクター」としての実践をされている方に、お話を伺って、
これから、美術品を何か買ってみようかな、という人、あるいは既に求めてい
らっしゃる方への蒐集の参考にしていただこう、という趣旨で行いました。

その第一弾としてご登場いただいたのが山下裕二さん。この「日本美術そうだっ
たのか通信」をご購読いただいている貴方なら、すでにこの方をご存じかも知
れませんが、まだ知らなかったという方のためにご紹介致します。

山下裕二さんは日本美術史の学者さんで、ご専門は室町時代の水墨画です。

専門家としても、勿論立派な業績を残されています。だが、それは世を忍ぶ仮
の姿(?)。

実は赤瀬川原平さんと「日本美術応援団」を結成、その団長として、日本美術
を応援する活動を繰り広げていらっしゃいます。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822241637/250-3022360-1947440

このおふたりの著作「日本美術応援団」シリーズでは、日本美術の面白さを「権威」
や「知識」でなく、そのものの「ありのまま」を楽しむ楽しみ方を読者は発見
することが出来ます。

さらに山下さんは、最近は画廊を丹念に歩かれ、若い作家を発見すると、その
方の作品を「買う」ことを実践されています。その「コレクター」としての側
面を今回はおうかがいしようとしたのですが、話しは思いもよらず非常に広い
範囲に及び、美術の時空を飛び越えて、「美術の本質」にせまる迫力がありま
す。

インタビューは乞うご期待。

そして、本体のカタログ!

・・・では、当店自慢の作品群が目白押し。

知る人ぞ知る、プロ好みの南画家、帆足杏雨の南画の銘品がトップバッター。

豊後南画のエース、田能村竹田の愛弟子である杏雨は、残されている作品が、
実は粗描きのものが多いのですが、今回私どもでは素晴らしい力作を発見。丹
念に構築された南画がもつ「気品」と「薫り」が伝わる作です。

そして、高山辰雄先生の静かな力が満ちた「椿」の花。どうぞページを開いて
下さい。その霊性さえたたえた「命」の力が伝わってきます。

この他に実は、広瀬淡窓という幕末豊後の教育者の書もありまして、二番目の
隠しテーマは「大分」。(高山先生も大分出身です。ちなみに一番目の隠しテー
マは「花」。)

広瀬淡窓は、幕末の豊後大分で、先進的な教育塾を開き、薩長官軍の陸軍総監
督、大村益次郎もこの人のもとで学びました。大坂の緒方洪庵、長州萩の吉田
松陰と共に、維新の背景となる「人材」を産み出した偉大な教育者に数えてい
いでしょう。

参考)広瀬淡窓 wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E7%80%AC%E6%B7%A1%E7%AA%93

その他、坪内逍遙の気品のある書など、ネットに未掲載の作品も多数揃えて今
回も無料でお届けします。

お申し込みは下記フォームまで。

「カタログ誌「秋華洞」Vol.5  2006夏号 ご請求フォーム」
https://www.syukado.jp/jp/support/catalog/index.cgi

※前号(Vol.4)までにご登録経験のある方は、夏号も無条件でお送り致します。

そして、この夏号発行と同時に、次の企画展も開始します!

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秋華洞特別企画展〜はな・花・華〜:6/16〜6/30

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秋華洞カタログの「隠しテーマ」の「花」を「表テーマ」として、「はな・花
・華展」を企画します。

「花」というモチーフは、日本画家、洋画家、などの技法を問わず、重要なも
のです。風景は外に行かなきゃあ、描けない。人物はモデルを呼ばなきゃ、描
けない。ところが「花」なら、部屋で描ける。病床でも描ける。

「月刊美術」の連載で、聖路加病院の日野原重明先生もおっしゃっていますが、
小説家など他のジャンルの芸術家が割合早死にの事が多いのに比べて、画家は
比較的長寿なのです。(青木や春草など夭折の画家などの例外はいますが。)

この理由は、若いときは無理をして戸外に題材を求めたとしても、「花」や
「静物」などのモチーフで、静かに仕事を続けることができるからと考えても
よいのではないかと思います。

一方で、「花の絵」は、どんな人にとっても「枯れない花」として、部屋を飾
る必要性も高く、自然に飾りやすいものです。季節感を反映させるアイテムと
しても日本人にとって大事なものでしょう。

そのうえ、「花」というモチーフにはそれ自体に非常に幅広く深淵な表情やテー
マを投影することが出来ます。たとえば速水御舟の黒牡丹。

参考リンク:山種美術館
http://www.yamatane-museum.or.jp/html-database/ha-gyo(L)/hayami-gyoshu-A0750.html

「季節感」などという「短期的」な感覚を遙かに超えた「永遠」ともいうべき
何ものかが、ここに備わっていることに、私たちは気づく事が出来ます。山種
さんでの公開があれば、こちら御覧になって下さいね。

なぜそんなに「花」が美しいのか、ニンゲンが飽きず眺めて飾って、そして描
くのか。これは「花」が生殖、生き、子孫を残すことと直接関わっていること
からなのでしょうが、まあ理屈はさておき。

日本画・洋画、額装・掛軸、さまざまな形態での「花」をこの企画展ではお見
せできることになるでしょう。是非 銀座の弊社画廊にお立ち寄り下さい。

■秋華洞特別企画展〜はな・花・華〜:6/16〜6/30
場所:弊社 ぎゃらりい秋華洞

東京都中央区銀座6−4−8 曽根ビル7F
TEL 03-3569-3620

※)弊社への行き方案内
http://www.syukado.jp/jp/support/guide/guide.html

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★★★ 美術品の買い方ガイド その2 ★★★
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ものさし1 時間
ものさし2 リスク
ものさし3 価格
(ものさし4 快適)

はい、お待ちどうさまでした。「買い方ガイド」その2です。

前回は、上に挙げましたように、「美術品」を「買う」ときに、どういう買い
方があるのかを考える「ものさし」をご紹介しました。それらについて簡単に
今回は説明したいと想います。

○ものさし1:<時間>

美術品・骨董品を買おう、という意志をお持ちの方のうち、多くのかたは、経
営者や、知的職業など、お忙しい立場の方が多い、というのが実際のところか
と思います。

したがって、「美術品を買う」という事にかける時間も、長すぎてはいけない。
忙しい方は、充実した時間を過ごすのにはやぶさかではありませんが、無駄な
時間、非効率な時間をとられること、奪われることを嫌います。

「お買い物」をするのに、例えば、ほとんど意味もなく、何か長蛇の列に並ば
されるとか、退屈な時間を過ごさなければいけないとしたら、それは非常に避
けたい種類のことであるはずです。

反対に、時間がむしろ余っていて、時間を「つぶしたい」タイプの方も世の中
にはいらっしゃるでしょう。何かの行列が出来ていたら、とりあえずその後ろ
に並んでみたい。何か「夢」があれば1時間や2時間を費やしても構わない。

そういう方にとっては、<時間>は大きな価値ではないかもしれません。

<時間>がかかる手段か、そうでないか、ということを「買い方」の基準の第
一に、おいてみましょう。

○ものさし2:<リスク>
リスク、というのは株式投資などでよく使われる言葉です。リスクを直訳すれ
ば「危険」という事になりますが、ここでは、「不確定性」「機会変動性」と
いう意味で使いたいと思います。

つまり「思った通りになる」可能性が強いか、弱いか。この場合で言えば、
欲しいものが「買える」か「買えない」か。思った値段で「買える」か「買え
ないか」。

一般的に、リスクの多い商品は、コストが安く、リスクが少ない商品は、コス
トが高くなります。たとえば、バックパックでふらりとインドに行く、という
旅行は、格安でいけるでしょうが、どんな目にあうかは、「自己責任」でしょ
う。一方で、旅行会社が組むパッケージ旅行は、危険な目に遭うことは少ない
し、ある程度以上の快適さは保証されているでしょうが、手数料や高級ホテル
代など、コストは高くつくでしょう。

美術品にかんしていえば、贋作の「リスク」というものもあるでしょう。安ー
い骨董品には「贋物」のリスクがプンプンすることが少なくありません。

この「不確定性」「機会変動性」をリスク、というふうにここでは定義してみ
ましょう。これが二番目のものさし。

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と、いうところで、今回の「買い方ガイド」はいったん区切ってみましょう。
次もなるべく早く出しますので、お楽しみに!

★☆★おまけニュース その1
「有限会社アートオフィスJC」から「株式会社秋華洞」への商号変更手続き
は粛々と進めています。イロイロと手続きの後、皆様には7月に発表すること
になるかも知れません。

★☆★おまけニュース その2
「monthly 専門店 6月号」に私のインタビュー記事が掲載されました。「イ
ンターネットビジネス最前線(76) ネット通販でも、信用でき、良い美術
品が買える」。この雑誌、文字通り、各種小売り「専門店」向けに発売されて
いる情報誌です。機会があればお読み下さい。

★☆★おまけニュース その3
展覧会は、7月「近代の書展」「与謝野晶子展」も控えています。こちらも詳
細を発表しますのでお待ちを。。

★☆★おまけニュース その4
池袋東武デパートで今月15日から1週間、「近代文人の書画展」が開かれるそ
うです。デパートで書画が見られる貴重な企画。

☆☆☆おまけコラム 1
風邪を2,3日前から引いてます。のどから始まり、今は咳が抜けない。明日は
長距離運転で買取り査定なのですが。。みなさんも気を付けて下さい。

☆☆☆おまけコラム 2
和服着物を買いました。着こなすのはやや時間がかかりそうですが、今度機会
があれば着ていきますね!
http://blog.livedoor.jp/syukado/archives/50512151.htm
http://blog.livedoor.jp/syukado/archives/50527983.htm

☆☆☆おまけコラム 3
最近話題の盗作事件の際に、やたらマスコミから電話。コメントしてくれる専
門家を探しているとのことでした。私は全然知らない作家さんの事件。関心の
ある人も美術界では本当は少ないのではなかろうか。あれだけ取り上げられる
ほどのニュース性が本当にあったのか。マスコミによる、マスコミのための事
件という気も致します。

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今回も最後までご購読いただき、ありがとうございました。

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うぼん)を専門とし、その他、彫刻、工芸品、茶道具など、多岐にわたって
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弊社は平成15年に設立、平成16年に開店致しましたが、50年近く美術業界
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